鈴木亮平主演ドラマ『リブート』、儀堂&一香「いま観返すと意味が変わる」シーン回顧 全てわかると「エモくて切ない…」の画像
ドラマ『リブート』 (C)TBS

 現在放送中の鈴木亮平主演の日曜劇場『リブート』(TBS系)。妻のため戦い続けてきた主人公・早瀬陸(リブート前:松山ケンイチ、リブート後:鈴木亮平)の物語もクライマックスに近付いており、彼の行く末に注目が集まっている。

 3月15日放送の第8話では、これまで謎が多かった幸後一香(戸田恵梨香)の素性がついに明らかになった。物語は一気にクライマックスへと進んでいくが、その真実を知った上で過去のエピソードを観返してみると、初見時とはまた違った“意味”を持ってくる場面が少なからずある。

 今回は過去エピソードの中から、一香と儀堂の二人にスポットを当て、すべてを知った状態で再度観返したとき、まったく違う印象を受けるシーンを振り返っていきたい。

※本記事は『リブート』第8話までの内容を含みます。

■一香の言動から垣間見える“本心”

 第8話にて、偶然一香の手を握った儀堂(=リブート後の早瀬陸、以下「リブート儀堂」)は、彼女の正体が殺されたはずの妻・夏海(山口紗弥加)であることに気付く。

 実は夏海は、過去に合六亘(北村有起哉)から脅され、一香にリブートして別人としての人生を送っていた。夏海はずっと夫のそばにいて、彼が極力危険な目に遭うことがないよう必死で守り続けていたのだ。

 つまり、視聴者は第1話からずっと、儀堂と一香の皮を被った“早瀬夫妻”のドラマを追い続けていたのである。それを踏まえると、本編中には「夫婦の会話」を感じさせるシーンが多くあることに気づく。

 たとえば、第3話。儀堂の妻・麻友のことを「放っておけない」と気にかけるリブート儀堂に対し、一香は「好みなんだああいうのが」「美人だもんね」と冷ややかな声で語り、「夏海さんがかわいそう」と口にする。

 初見では、一香がリブート儀堂のお人よし加減にうんざりしている会話に思えたが、一香の正体が夏海であることを考えれば、これは明らかに「嫉妬」を感じさせる発言になる。

 その後、リブート儀堂は「僕は夏海一筋です」「ほかの女性と一緒になるなんてありえません」と発言。このセリフに一香の言葉は止まり、目線をそらして「もういないけどね」と返す。

 夫の変わらぬ愛に対するうれしさ、そしてその愛をもう正面からは受け止められないという無念さ――。微笑ましく、切なくもあるシーンである。

 切ないシーンは他にもある。第4話で、100億強奪の疑いをかけられたリブート儀堂が、本当は早瀬陸であることを証明するため、合六たちにハヤセショートを作る場面。

 合六たちが去った後、リブート儀堂は一香にも作ったケーキを薦める。「イチゴの酸味の強いヘタのほうから食べると甘みが増しておいしくなりますよ」「夏海はいつもこの食べ方をしていました」と、語り掛けるリブート儀堂に対し、一香は「やめておく」「夏海さんのだから」と返す。

 このとき、目を伏せた一香は涙をこらえているような表情にも見え、正体が明らかになった今観返してみれば、やはり夫の深い愛情を前に、複雑な心境を抱いているとも推察できる。早瀬夫婦がこの食べ方をすることは別の場面でも描かれており、切なさと同時に、夫婦の絆の深さを感じるシーンでもある。

■ふたりの想いはずっと通じていた

 また、第2話には、リブート儀堂が「お互いに家族のために生き残りましょう」と一香に力強く語りかけた後、ふたりでハヤセのシュークリームを頬張るシーンがある。このとき、リブート儀堂は息子の拓海と母・良子の姿を、一香は病の妹・綾香の姿を思い浮かべていると、誰もが観ていたことだろう。

 しかし実際には一香の正体は夏海であり、リブート儀堂と同じく、早瀬家のことを考えていたことになる。さらに、彼女はもう自分が家族のもとには戻れないことを痛いほどわかっていたはず。

 その後、一香がリブート儀堂と並んでベッドで寝ているシーンへと続くが、第8話ではこのシーンへと続く、一香が彼の寝顔を愛おしそうに見つめる場面が描かれた。二人で家族を思いながらシュークリームを食べた後であることを思えば、一香の行動がより“エモく”感じはしないだろうか。

 ほかにも第4話で、儀堂から「よかったらデートしませんか?」と声をかけられた際、不満げな表情で「今から組織の仕事なんだけど」と刺々しく返答した場面も、夫が他の女性を誘ったことへの「やきもち」からの態度だったとも受け取ることができる(実際にはリブート儀堂ではなく、本物の儀堂だったわけだが)。

 また第5話で、リブート儀堂から「2人の暗号」として「耳を引っ張る動き」を提案されたときの一香の表情も、初見と今では違って見えるはずだ。

 こうしてあらためて振り返ってみて、初見時と全てが明らかになった現在とで、同じシーンであっても大きく違った印象を受けるのは、一香役の戸田さんの演技力あってこそだろう。解釈の幅を持たせる繊細な演技が、一香=夏海というまさかの展開に説得力を与えているのだ。

 事件の真相がわかった今、残るのは合六や「クジラ」こと真北弥一との最終決戦のみだ。早瀬夫婦がこの強敵とどう立ち向かうのか、そして2人は揃って家族のもとに帰れるのか。ようやく再会できた夫婦の行く末から目が離せない。

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