■大声を出したら「騒音罪」で死刑「沈黙の聖地」
「沈黙の聖地」の舞台は、大声を出しただけで死刑にされるという、とんでもない星だ。
「銀の谷」という駅に到着した999号。ここでは基本的に声を出してはいけないルールがあり、メーテルは鉄郎に列車を降りないよう忠告する。しかし、その約束を破った鉄郎は街中で人々に普通に話しかけてしまい、騒音罪の罪で捕まってしまうのだ。
しばり首の刑が決まった鉄郎は、間一髪、メーテルによって救出される。すると彼女は鉄郎に対し、大声で叫ぶよう命じた。鉄郎が「こーのやろー くそったれー くたばれー」と大声で叫ぶと、その場にいた住民たちは彼の声に耐えきれず、全員が気を失ってしまうのであった。
この星は昔、住民の間で密告が大流行し、多くの人々が処刑されたという悲しい過去がある。それ以来、人々は他人の会話が遠くからよく聞こえるよう、自らの耳を機械化する改良を施した。しかし、その結果として聴力が過敏になりすぎ、大きな声には耐えられない身体になってしまったのである。
人を疑うことによって始まった耳の改良が、結果として新たな不条理なルールを生み出してしまったこのエピソード。しかし今の地球でも、SNSによる密告が制裁につながる例も見られる。このエピソードが描く理不尽さは、決してフィクションの話だけではないのかもしれない。
今回紹介した3つの星は、現代の地球に住む我々から見たら、到底住みたいとは思えない星だろう。しかし、住みやすいはずの地球であっても、国や地域によっては、これらと似た不条理な法律や慣習があるのも事実だ。
幸いにも、今の日本ではこうした理不尽な法律はほとんどない。しかし、人々が社会に対して無関心であれば、知らぬ間に不条理なルールが生まれる可能性もあるだろう。そうならないためにも、常に社会のあり方に関心を持ち続けることが重要なのではないだろうか。


