カストロに東ゴルトー宮殿の兵士、“団長の手刀を見逃さなかった人”も…『HUNTER×HUNTER』実は強かったかもしれない「途中退場キャラ」の画像
DVD「劇場版 HUNTER×HUNTER ハンター ハンター The LAST MISSION ラストミッション」(バップ) (C)POT(冨樫義博)1998年-2013年 (C)ハンター協会2013

 2026年2月24日、冨樫義博氏が自身のXにて、「No.420、原稿完成」と飛影のイラストを添えて報告し、世界中のファンを沸かせた『HUNTER×HUNTER』。 物語がさらなる深淵へと進むことに期待が膨らむなか、あらためて注目したいのが本作の異常なまでの「キャラクター設定の濃さ」である。

 本作の大きな魅力は、主人公や主要キャラはもちろんのこと、一見するとモブキャラに見える人物ですら妙に濃い設定が用意されている点にある。

 短い出番であっさりと退場してしまう、いわゆる「かませ犬」のように扱われがちなキャラの中にも、描写をよく見ると「この人、実はかなり強かったのでは?」と思わせる者も少なくない。

 今回はその中でも特に、物語の途中で退場したにもかかわらず、読者に強烈な印象と底知れない実力を感じさせたキャラたちを振り返ってみたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■“惜しい天才”だった実力者…「カストロ」

 カストロといえば、天空闘技場でヒソカに完敗した姿から、序盤の「かませ犬」として記憶している人も多いだろう。しかし、対戦相手のヒソカ自身が「キミは才能にあふれた使い手になる…」と、そのポテンシャルを高く評していた点からも分かる通り、カストロは決して単なる敗者ではない。

 彼の念能力「分身(ダブル)」は、具現化系と操作系を複合させた高度な能力だ。自身の分身を実体として作り出し、それを自在に操るというのは、念の基礎をしっかり学んだ者にとっても至難の業だ。事実、自身の得意系統から外れた能力の運用は、術者に相当な負荷がかかるとされている。

 つまり、能力そのものの完成度や発想力は一級品だったと言っていい。彼の敗因は極めてシンプルで、念能力の本質を十分に理解していなかったという一点に尽きる。「打倒ヒソカ」という目標に固執するあまり、オーラを使用する基本を疎かにしてしまったのである。

 もしカストロにビスケのような師匠がいて基礎から徹底的に指導されていたら、ヒソカの好敵手として、真の強豪へと成長していた可能性は十分にあるだろう。彼は単なるかませ犬ではなく、「一流の強キャラになり得た」惜しい才能の持ち主といえるかもしれない。

■メルエムにもひるまぬ異常な胆力…「東ゴルトー宮殿の隊長格(ベレー帽の兵士)」

 キメラ=アント編において、ひっそりと強烈な印象を残したのが、東ゴルトー共和国の宮殿の警護にあたっていたベレー帽の兵士だ。作中では同様の兵士が数人確認できるが、その中でキメラ=アントの王・メルエムに直接話しかけたのは、隊長格と思われる細身の男だった。

 見た目は一般兵そのものだが、実は念能力者であり、相当な実力者であることが示唆されている。その最たる例が、メルエムと護衛軍を前にしても一歩も引かず、堂々と兵士としての職務をまっとうしようとした胆力である。

 普通の念能力者であれば、メルエムが放つ圧倒的なオーラを前に恐怖で動けなくなる。事実、キメラ=アント討伐に動いていたプロハンターのノヴでさえ、王直属護衛軍の禍々しいオーラを感じ取っただけで精神を病み、白髪化して戦線離脱に追い込まれた。

 それにもかかわらず、この兵士は王を前に啖呵を切り、兵士としての矜持を最後まで失わなかった。この精神力だけでも、彼が並の実力者ではないことがうかがえる。

 さらに決定的なのが、メルエム自身の評価だ。王は彼を見て「目を凝らさずとも感じてしもうたわ」「レアモノだ」と発言している。これは、彼のオーラ量がメルエムの関心を引くほどに膨大であったことを意味する。

 実際、隊長格の男を捕食した後、メルエムは明らかに力がみなぎる様子を見せている。王の力を底上げするほどの念の量を持っていたと考えれば、実力者だった可能性は極めて高い。

 しかし残念ながら、最後まで彼の能力は明かされず、瞬殺されてしまった。それは「弱いから」ではなく、「相手が悪すぎた」だけである。状況が違えば、エース級のハンターとして名を残していたとしても不思議ではない人物だ。

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