■ゆるく楽しい女子だけの時間を過ごせる『女の園の星』
続いて紹介するのは、和山やまさんが描く『女の園の星』だ。『FEEL YOUNG』(祥伝社)で連載されている本作は、とある女子高校を舞台にした日常コメディである。
本作はこれまで紹介した作品のように、憧れのイケメン男子が出て来たり、ヒロインがとにかくモテるといった話ではない。2年4組の担任を務める国語教師・星先生を中心に、女子高での淡々とした、しかしユニークな日々を描いた作品だ。
生徒たちが学級日誌に描いた“しりとり”に教師が悩まされたり、教室で犬のお世話をすることになったりと、少しシュールだが、現実でも起こりそうな女子校生活ならではの笑いが散りばめられている。
筆者は女子校出身ではないが、本作を読むと「一度女子校に通ってみたかった……」と心から思う。ここで展開される“何もない平和な日常”が愛おしく、10代の女子がやりそうな突飛な行動の数々に声を出して笑ってしまうのだ。
女子校特有の穏やかな空気感や、生徒たちの斜め上を行く発想、そしてそれに冷静かつ真面目に対応する星先生のギャップがたまらなく面白い。この学校に通えば、きっと毎日が発見に満ちた楽しい高校生活を送れるに違いない。
■お金持ち&おもてなしを受けたいなら『桜蘭高校ホスト部』
最後に紹介するのは、浮世離れしたセレブな世界観が魅力の、葉鳥ビスコさんの『桜蘭高校ホスト部』だ。本作は『LaLa』(白泉社)にて2002年から2010年まで連載された、大ヒットラブコメディである。
舞台は、超富裕層の子息令嬢が通う名門・私立桜蘭学院。一般庶民ながら特待生として入学した藤岡ハルヒは、静かに勉強できる場所を探して第三音楽室に迷い込んでしまう。しかしそこは「ホスト部」の活動拠点であり、ハルヒはうっかり800万円もする花瓶を割ってしまった。その借金を返済するため、彼女は性別を隠してホスト部員として働くことになる——というストーリーだ。
実際に読んでみると、須王環をはじめとする美麗な男子6名が、暇を持て余した女子生徒たちをあの手この手でもてなす姿に圧倒されてしまう。“南国風”や“日本昔話風”など、毎回お金にものを言わせたスケールの大きい企画が登場するのだが、「さすがにあり得ない!」と思いつつも、この不思議な世界に夢中になってしまう読者は多いだろう。
彼らの金銭感覚のズレと、一般庶民であるハルヒのドライな反応が絶妙なスパイスとなり、痛快な気分になれる本作。この学園生活を現実で送ることは難しいが、「こんなおもてなしを毎日受けられる学校があるならぜひ入学したい!」と思わせてくれる、夢に満ちた学校だろう。
少女漫画には、読者の「こんな学校に行きたい!」という夢や憧れを具現化した魅力あふれる学校が数多く登場する。イケメンとの刺激的な青春を味わえる学校もあれば、規格外のセレブ体験ができる学校、そして『女の園の星』のように平和でシュールな笑いに包まれた学校まで、その魅力は多種多様だ。
新生活が始まり、現実の学校や職場に少し疲れを感じたときは、ぜひこれらの漫画を開いて理想の学園生活へと思いを馳せてみると良いだろう。きっと心が軽やかになるはずである。


