衣装は実写化作品における重要な要素の1つだ。漫画やアニメのキャラクターの着る服をどれだけ再現できるかは、作品全体の再現度にも大きくかかわってくる。
そんな中、制服、特にセーラー服は比較的身近な存在であり、だからこそ着る人の「素の魅力」が伝わってくる衣装だといえる。
そこで今回は、実写化作品の中でも、セーラー服姿がひときわ眩しかった女優たちを振り返っていく。
※本記事には各作品の内容を含みます
■透明感が半端ない…『咲-Saki-』浜辺美波
小林立さんによる『咲-Saki-』は、麻雀が現実よりも社会に浸透した世界を舞台に、麻雀の天才である女子高生・宮永咲が、仲間とともに全国大会を目指す熱い物語だ。
2016年から2017年にかけてはドラマ・映画として実写化され、人気若手女優が集結した豪華なキャスティングも話題となった。中でも、主人公の咲を演じた浜辺美波さんは、その可憐さと圧倒的な透明感で見る者を惹きつけた。
当時役柄と同じく高校生だった浜辺さんは、作中でも飾らない等身大の姿を見せている。その演技にはどこかあどけなさが残る一方、咲の勝負師としての芯の強さも確かに感じさせる。日常シーンでの可憐な姿と、麻雀を打つ際の凛々しい表情のギャップが印象的だった。
着用しているセーラー服はごくシンプルなデザインで、白靴下とローファーを合わせたスタイルも「ありふれた女子高生」という印象だ。しかし、だからこそ、浜辺さんのピュアさやフレッシュさがより際立っていた。短く切りそろえた髪も、さっぱりとしていて好ましい。
まさに「清楚」という言葉を体現したかのような佇まいは、透き通るような美しさを持つ浜辺さんだからこそ実現したのだろう。
■ギャップに魅せられる『氷菓』広瀬アリス
『氷菓』は、2001年に刊行された米澤穂信さんのデビュー作で、『〈古典部〉シリーズ』第1作にあたる。省エネ主義の男子高校生・折木奉太郎が、好奇心旺盛なお嬢様・千反田える達とともに日常の小さな謎を解く、爽やかでほろ苦い青春ミステリーだ。
2017年の実写映画版で千反田を演じた広瀬アリスさんは、登場するだけで画面全体が明るくなるような存在感を放っていた。いきいきとした表情や声、動きのすべてから、好奇心旺盛な千反田のエネルギーが伝わってきた。
気になることがあればすぐに一歩踏み出し、思ったことがそのまま顔に出てしまう。その裏表のない快活さが、キャラクターの魅力としてまっすぐに響いてくる。
きっちり整えたスカーフに、膝丈のスカート、つややかなロングヘア……お手本のようなセーラー服姿の千反田は、おしとやかな印象を受けるが、実はよく動き、よく笑う。静止している姿よりも、歩いたり身を乗り出したりする仕草のほうが印象に残るのは、広瀬さんの躍動感ゆえだろう。
そうやって元気いっぱいに動き回る一方、ふとした瞬間に見せる落ち着いた表情も印象的だ。決め台詞の「わたし、気になります!」を口にする場面では、瞳の強さを印象づけるため、まばたきや動きを抑える演出が徹底されていたという。こうした振れ幅の大きさが、実写版『氷菓』の千反田えるを、忘れがたい存在にしていたのである。


