あまりにも大きな存在だった… 少年漫画“師匠キャラの退場シーン”『NARUTO』自来也に『キングダム』王騎まで…の画像
NARUTO-ナルト- 疾風伝 三尾出現の章 1 [DVD] (C)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ

 少年漫画における「師弟関係」は、主人公の成長に欠かせない要素の1つだ。弟子は師匠から多くを学び、師匠は弟子に未来を託す。中でも、弟子のために身を挺して戦う師匠の姿は、物語に深い感動と興奮を与える。

 弟子は師匠の生き様を目の当たりにし、自身も同じようになりたいと願う。その成長を師匠がずっとそばで見守ってくれればいいのだが、なかなかそうはいかない。これまで多くの物語で、師弟の悲劇的でショッキングな別れが描かれてきた。

 そこで今回は、弟子の成長を最後まで見届けられずに散っていった師匠キャラクターの、あまりに衝撃的だった退場シーンを振り返る。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

■最期まで弟子の未来に思いを馳せた『NARUTO-ナルト-』自来也

 岸本斉史氏による『NARUTO-ナルト-』(集英社)では、数多くの出会いと別れが描かれてきた。中でも、主人公・うずまきナルトの師匠である自来也の最期は特に切ない。

 自来也の退場は、かつての弟子・長門が操る忍「ペイン」との戦いにおいて描かれた。自分の持てる力の全てを出し、愛弟子を止めるという決意を胸に強敵に挑んだ自来也。普段の姿からは想像もつかないほど真剣な表情は、彼の複雑な心中を物語っていた。

 全力の「仙人モード」でペイン3体の動きを封じた時には、さすがナルトの師匠だと誰もが思っただろう。しかし、次の瞬間には6体に増えたペインが登場し、状況は絶望的なものへと変わる。

 その後、自来也は深手を負いながらも、仲間の役に立てるため必死でペインの情報を集めようとする。しかしようやくペインの“真の正体”に気付いた直後、喉を潰された上で致命傷を与えられ、心臓が止まってしまう。

 だが、どんな時も諦めないナルトの忍道を思い出した自来也は、気力だけで息を吹き返した。そして、最後の力を振り絞って仙蝦蟇(せんがま)・フカサクに暗号を託すと、力尽きて水の底へと沈んでいく……。

 意識が遠のく中、自来也は自らの物語の終わりを悟り、その“続編”として「うずまきナルト物語… うむ…それがいい…」と弟子の未来に想いを馳せる。最後の最後までナルトのことを思っていた自来也の途中退場は、残念でならなかった。

■後輩の目の前で…『呪術廻戦』七海建人

 芥見下々氏による『呪術廻戦』(集英社)の七海建人もまた、その退場が多くの読者に衝撃を与えたキャラクターである。

 七海は主人公・虎杖悠仁に対し、呪霊や呪力について実戦を通じて教えてくれた指導者だった。彼は常に後輩呪術師のことを気遣っており、その心配りは、右も左も分からないまま呪術界に巻き込まれた虎杖の救いとなっていたことだろう。

 七海は、呪術師という職業がいかに報われないものであるかを身をもって知っていた。だからこそ後輩には同じ思いをしてほしくないという気持ちが、彼の言動からは痛いほど伝わってきた。

 特級呪霊・陀艮と対峙した際にも、七海はずっと禪院真希や伏黒恵の身を案じながら戦っていた。その戦いで深手を負った直後、七海は陀艮以上の実力を誇る漏瑚と遭遇し、全身を焼かれてしまう。片目は潰れ、半身が焼けただれ、立っていられることが不思議なほどの状態だった。

 それでも七海は戦うことを止めず、他人を守るために異形の改造人間を倒し続けた。精神力だけで動いてるに過ぎず、身体のほうはとっくに限界を迎えていたはずだ。最後は真人の「無為転変」によって身体が爆ぜ、駆けつけた虎杖の目の前で死亡してしまった。

 死の直前、虎杖に対して「後は頼みます」と穏やかな笑みを浮かべた七海。最期の瞬間まで後輩を気遣う優しい男の生きざまには涙が止まらなかった。

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