日本の音楽業界における最大のバブル期と呼ばれた1990年代後半は、ミリオンセラーが連発され、安室奈美恵さんや浜崎あゆみさんといった「歌姫」と呼ばれるカリスマ性をもった歌手が多く輩出された時代だ。
しかし、そんな音楽バブルの時代に活躍した彼女たちが、実はドラマ界にも進出していたことはあまり知られていないかもしれない。今振り返ると豪華なキャスティングの中で繊細な演技を見せており、その姿はファンならずとも必見である。
今回は、時代を彩った歌姫たちが出演していた90年代のドラマを振り返りたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■SUPER MONKEY’S時代の安室奈美恵が出演『いちご白書』
1990年代を代表する歌姫、安室奈美恵さん。彼女がまだ「SUPER MONKEY’S」として活動していた1993年、テレビ朝日系のドラマ『いちご白書』に出演している。
本作は、女子高生たちの悩みや友情を描いた青春群像劇であり、安室さんはヒロインの親友である女子高生・遠藤玲子を演じた。
当時の安室さんはまだ15歳ほどで、その後のクールな歌姫のイメージとは一味違う、等身大の少女らしいあどけなさが残る演技が印象的である。
作中では、複雑な家庭環境に悩みながらも、仲間たちと強く生きていこうとする多感な時期の少女を熱演した。時折見せる鋭い眼差しや、芯の強さを感じさせる佇まいは、後のトップスターとしての片鱗を感じさせるものだった。
このドラマ以外にも、安室さんは1994年の『時をかける少女』(フジテレビ系)で、内田有紀さん演じるヒロインの妹役としても出演。 ハスキーがかったやや高い声で演技をする安室さんの姿からは、少女らしい愛らしさと高い演技力を垣間見ることができる。
後にクールな歌姫として活躍する姿を思えば、これらのドラマ出演は貴重な映像記録といえるだろう。
■『未成年』『闇のパープル・アイ』で存在感を放った浜崎あゆみ
「平成の歌姫」として一時代を築いた浜崎あゆみさんも、歌手デビュー前後は女優として活動していた。その1つが、1993年放送のドラマ『ツインズ教師』(テレビ朝日系)だ。学園ドラマである本作において、浜崎さんは女子中学生役を演じている。ちなみに、その当時は「浜崎くるみ」という芸名で活動していた。
その後、浜崎さんは1995年にTBS系で放送された『未成年』に出演。野島伸司さんが脚本を手がけたこの社会派ドラマで、家庭教師の子を妊娠してしまう少女・田畑瞳という難しい役柄を演じきった。さらに翌年には、雛形あきこさん主演の『闇のパープル・アイ』(テレビ朝日系)にもヒロインのクラスメイト役として登場している。
当時の浜崎さんは、大きな瞳が印象的な美少女として注目を集めており、作中でも圧倒的な透明感を放っていた。少し生意気でありながら、それでいて大人びた表情を見せる演技は、まさに後の「あゆ」の姿を彷彿とさせる。後に歌詞で表現する繊細な心理描写は、この女優時代に培われた表現力が影響しているのかもしれない。
学園ドラマからシリアスな社会派ドラマまで幅広く出演していたことを踏まえると、浜崎さんは歌手だけでなく女優としても大きなポテンシャルを秘めていた存在のように思える。


