■知的なバルタン星人? 子どもの喧嘩をきっかけに地球壊滅を企む狡猾な「六代目」
最後は『ウルトラマン80』第45話「バルタン星人の限りなきチャレンジ魂」に登場した「六代目」である。実は、第37話「恐れていたバルタン星人の動物園作戦」で五代目が登場しており、本作では2度目の対決となった。
六代目はこれまでとは手法を変え、バルタン星人自らが戦いへ赴くのではなく、地球人同士で争わせることで地球を内部から崩壊させようと企んだ。
彼らはまず、フリスビーで遊ぶ青年に変身し、投げたフリスビーが山野少年の撮影する写真に写り込むように仕向ける。少年はこれを「本物のUFOの写真」だと説明するが、クラスメイトたちに信じてもらえない。すると少年は、偽のUFO写真を撮影。そして山野少年の母親に憑依したバルタン星人が、この偽写真を子どもたちに広めるように促すのである。
これは、偽写真により子どもたちの喧嘩を誘発し、そこから大人たちの争い、果ては国同士の戦争へと発展させようという非常に手の込んだ遠大な策略だった。作中、国同士の争いを「ミサイル発射、手裏剣シュシュシュ」と表現しており、忍者らしい(?)独特なセリフを吐いているのも印象的だった。
子どもの喧嘩が国同士の戦争にまで発展するという展開は、当時の子どもたちにとって大きな恐怖だった。フランスの凱旋門などの著名な建造物がミサイルで破壊されるシーンは衝撃的であり、「地球破壊」というワード自体にショックを感じたものである。
バルタン星人の姿は、子ども心に不気味な存在だった。当時感じた恐怖は今も色褪せることがない。だからこそバルタン星人は、今もなお『ウルトラマン』シリーズにおける最も印象的な怪獣として君臨し続けているかもしれない。


