「古畑任三郎でした」という決め台詞でおなじみのドラマ『古畑任三郎』シリーズ(フジテレビ系)。脚本家・三谷幸喜さんによるコミカルな会話劇と、『刑事コロンボ』を彷彿させる倒叙形式の本格ミステリーは、今なお傑作として語り継がれている。
本作最大の魅力は、主人公・古畑任三郎の特異なキャラクター性にある。謎に包まれた存在ながらも彼には甘いもの好き、少女漫画好きなど意外な一面が数多くあり、そうした親しみやすさも愛される理由の1つだ。今回はそんな古畑の素顔に迫り、彼の人間的な魅力を探っていこう。
※本記事には作品の内容を含みます
■パフェ、ハンバーガー、酢豚…食へのこだわりがすごい
私生活をほとんど見せない古畑だが、捜査の過程では人間味あふれる一面をのぞかせることが多い。特に食事へのこだわりが強く、何かを食べているシーンは頻繁に登場する。
古畑のグルメな一面といえば、最もよく知られているのは「酢豚弁当」へのこだわりだ。これが描かれたのはシーズン1の第8話「殺人特急」でのこと。特急列車内で殺人事件が起こり、たまたま居合わせた古畑が事件解決に乗り出すというエピソードだ。
古畑はこの回で、列車内で酢豚弁当が売られていないことに文句をつけ、車内販売員ともめ始める。しかも、酢豚が少しだけ入っている別の弁当を勧められると、「これっぽっちの酢豚じゃないの! 全体に酢豚があるの」と声を荒げる。そのあまりの執着ぶりには、販売員も思わずあきれ顔。酢豚弁当への愛が強すぎてもはやクレーマーと化している姿は、彼の食いしん坊な一面を物語るエピソードとして知られている。
また、甘いもの好きな一面も有名である。シーズン1の第4話「殺しのファックス」では、ホテルで大きなパフェを楽しんだと思えば、捜査の合間に明太子スパゲティを食べ、その直後にバウムクーヘンを頬張るという大食漢ぶりを発揮した。
甘いものとしょっぱいものを交互に食べては、「今泉くんさぁ、なんか甘いもんない?」「今泉くんさぁ、なんかしょっぱいものない?」と部下の今泉慎太郎に次々要求。捜査中にもかかわらず、好きなように食べては文句をつける姿には、彼の自由でわがままな性格がよくあらわれていた。
ハンバーガーも古畑の好物の1つだ。シーズン1の最終話「最後のあいさつ」ではモスバーガーを食べ、シーズン2の第1話「しゃべりすぎた男」では、ハンバーガーのピクルスの配置に独自の哲学があることを明かしている。真ん中に1枚、それを囲むように4枚配置することで「どこから食べてもピクルスに当たる」ようにするというこだわりは、彼の探求心の一端をしめしているのかもしれない。
グルメなだけでなく自分で料理もするらしく、シーズン1の第3話「笑える死体」では、得意料理だというミートローフ、茶碗蒸し、焼きナスを振る舞っていた。ただ、これには犯人を揺さぶる目的もあったため、普段からそんな凝った料理を作っているのか定かではないのがまた古畑らしい。


