通背拳、一指拳…こっそり真似した人も多い!? 『鉄拳チンミ』自分にも出せそうに思えた「最強の必殺技」の画像
前川たけし『鉄拳チンミ』1巻 (月刊少年マガジンコミックス)講談社

 前川たけし氏による『鉄拳チンミ』(講談社)は、1983年に連載を開始。そこから『新鉄拳チンミ』や『鉄拳チンミLegends』といった続編が続いている。拳法の才能を見出された主人公・チンミが戦いを通し成長していく物語で、40年以上にわたり多くの人々から愛されている。

 カンフーアクションブームの世代は、本作に登場する数々の必殺技に魅了されたことだろう。中でも、修行を経て習得する必殺技にはリアリティがあり、「自分も修行したらできるようになるのでは?」と期待して、こっそり真似した人もいるのではないだろうか。

 今回はそんな『鉄拳チンミ』の「思わず真似したくなった最強必殺技」を紹介していきたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

■やっぱりコレは外せない「通背拳」

 『鉄拳チンミ』といったら外せない必殺技が「通背拳」だ。これは実在する技の名前でもあり、中国武術での力の発し方「発勁」をフル活用した、掌底による大技である。

 大事なのは踏み込みの強さと全身の力の伝え方。この2つが揃わないと、通背拳は技として成功しない。チンミはこの技をなんとしても習得するため、過酷な修行を積んだ。

 まず、下半身強化のために川に入って片足だけで立とうとするが、うまく踏ん張れずに転んでしまう。何度か繰り返してようやくこれをクリアすると、次は細い木の棒の上で、足の親指1本だけでバランスを保つ練習。指の爪から血が流れるほどやった結果、これもどうにか達成した。その後、チンミは通背拳を試みるも、明らかに“何か”が足りず悩まされる……。

 そんな中、チンミは滝壺の渦巻きが巨木を粉々にする様子を見て、力の伝わり方に問題があると気付く。そして、実際に滝壺に潜って渦巻きに巻き込まれながら、身をもって回転による力の伝達を学んでいく。そうした修行を経て、チンミはついに通背拳を完成させ、巨大な壺を割るほどの威力を発揮した。

 この通背拳に憧れて、実際に真似をした経験がある人も多いのではないだろうか。強く踏み込みねじって掌底を放つ、という動きを壁や木に向かってやってみたり……。もちろん、修行のほうはかなり危険なので、こちらは真似できなかっただろう。

■指だけで相手を吹っ飛ばす「一指拳」

 次に紹介するのは「一指拳」だ。これは相手の攻撃の力をうまく利用し、指1本で相手を倒すというカウンター技である。指だけで相手を吹っ飛ばすインパクトの強さは、作中でもトップクラスだ。

 これを習得するためチンミが行った修行法は、掌に小鳥を乗せ、飛び立とうとする瞬間に手を下げ、足場をなくして飛ばせないようにするというもの。

 初めて見た時は「どうしてそんなことを?」と思ってしまったが、この修行の意図は相手と一体化して動きを読むことにある。自分よりはるかに小さな生き物である鳥の些細な動きを読んで、動きを察知する勘のようなものを育てようとしたのだ。

 こうした経験を経て、チンミは目で見て相手の動きをつかむのではなく、“感じ取る”のが大事だと学んでいった。

 そもそも小鳥を掌に乗せる機会がめったにないので、この修行を実際に真似するのは不可能に近い。だが、指だけで相手を軽々と吹っ飛ばす姿に憧れを感じずにはいられなかった……。試しに指先で相手を押してみたこともあるが、もちろん何の効果もなかった。ただつついているだけである。

 一指拳をマスターしたチンミの活躍は凄まじく、この技を駆使して巨大な熊を倒す場面もあった。自分より一回りも二回りも大きい相手を指だけで圧倒する姿は、やはりかっこよくて惚れ惚れする。

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