■ピンチを乗り越えるためのおまじない:テスト前や探し物にも!

 人生のさまざまなピンチを乗り越えるためのおまじないも、昔から存在した。

 例えば、失くしものを早く見つけたいとき、「ハサミに糸を巻きながらなくした物を思い浮かべる」というおまじないがある。この方法は、さくらももこさんの漫画『ちびまる子ちゃん』の「おかあさんの宝物の巻」のエピソードにも登場している。

 また、テストで良い結果を取りたいときは「教科書を枕の下に敷いて寝る」「朝ごはんにカツ(勝つ)を食べる」といったおまじないも有名だろう。さらに友達と喧嘩をしたときは、「紙に青いペンで友達と自分の名前を書いて丸で囲み、それを持ち歩くと仲直りできる」というものもあったそうだ。

 人は自分ではどうしようもない窮地に立つと、最後は神頼みをしたくなるものだろう。これらのおまじないは、そうした心理を体現しているといえるだろう。

■ガラケー時代のおまじない:恋愛に関するものが多かった

 まだスマートフォンが登場していないいわゆるガラケー(フィーチャーフォン)の時代にも、メールや待ち受け画面を利用したおまじないが多く存在した。

 当時の女子学生の間で流行ったのが、「ハートの辞書」の待ち受け画面である。これは、辞書の上に置いたレンズの影がハート形となり、その色合いによって叶う願いが異なるといわれた。

 また、メール本文に好きな人のフルネームと「メール5151」と書いて自分宛に送ると、相手から返信が来るという、通称「5151(コイコイ)メール」も人気であった。

 このほか、携帯電話のバッテリーに好きな人のプリクラを貼って恋愛成就を祈ったり、願いが叶うといわれる「着メロ」に設定することなども流行っていた。

 ちなみに、現代でもスマートフォンを利用したおまじないが存在するようだが、ブームになるほどの認知度はないようだ。技術が進んだ結果、おまじないよりも願いを叶えるためのより現実的な方法を、すぐに検索できるようになったからかもしれない。

 

 筆者の場合、昔、試したおまじないのやり方は覚えているのに、その結果がどうなったかまではあまり記憶にない。おそらく、結果そのものよりもその場のピンチや不安を乗り越えるために「おまじないをする」ということ自体に意味があったのだろう。

 これまでの人生で、おまじないを一度も経験したことがないという人はほとんどいないはずだ。形を変えながらも、おまじないはこれからも私たちの生活に寄り添い続けていくのだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3