渡辺ペコさんが17年前に描いた名作漫画『にこたま』が実写ドラマ化! 現在、FODとPrime Videoにて配信中だ。恋愛、結婚、そして家族のかたちが多様に描かれ絶大な支持を得た同作のW主演を、橋本愛さんとともに務めるのは、瀬戸康史さん。平和な同棲生活から一転、急転直下で現実を突きつけられるというキャラクターを、瀬戸さんはどう演じたのだろうか。
【第1回/全2回】
ーー渡辺ペコさんの同名漫画作品の実写化ですが、原作が『モーニング・ツー』で連載を開始したのが2009年と、17年前の作品です。オファーを受けたときにどう思われましたか?
瀬戸康史さん(以下、瀬戸) 僕が話を聞いたのは2年以上前で、撮影は今夏に始まったので時間があったんですよね。その間に原作を読んで、もしこれが自分だとしたら気絶しそうなくらいとんでもない物事が起こっているな、という内容で、気持ちが重くなって休憩しようかなと思いつつも次々にページをめくってしまう……そんなペコ先生マジックにかけられたような気がしましたね。
起きていることは重いのに軽快に読めてしまって、とても不思議な気持ちになりました。
ーーたしかに、第1話でさっそく“重さ”がのしかかりますよね。瀬戸さん演じる晃平は、橋本愛さん演じる長年付き合っている恋人・あっちゃんと同棲中にも関わらず、比嘉愛未さん演じる会社の同僚・高野さんに「子どもができた」ことを告げられてしまうという。瀬戸さんが一番最初にインパクトで撃ち抜かれたのは、どの辺りでしたか?
瀬戸 まさにそのシーンです。浮気をして、なにもなければOKとは思わないですけど、生命を宿してしまったら話が変わってくるよね、と。そこから「これからどうなっちゃうんだろう」と夢中になりました。
ーーそんな、とんでもないことをしでかした晃平を演じるにあたり、台本を読んで魅力を感じたのはどんな部分でしたか?
瀬戸 もう最低な人だとはすごく思うけど、この物事から逃げなかったというのが唯一の救いかな、と思います。だからこそ晃平の「俺は逃げなかった」「これから向き合うんだ」という部分を大事に演じましたね。
ーー第1話でもっとも印象に残ったのは、高野から子どもができたことを告げられたときの、ふたりのヒリヒリとしたやりとりでした。会社の薄暗い部屋で高野は突っ伏しながら子どもができたことを伝え、晃平が「俺の子ですか?」と問うのですが、そのときのそれぞれの“間”の長さが、見ているこちらもしんどかったです。
瀬戸 あのシーンは30秒くらい間がありますが、当初は「2分くらいの実尺でやりたい」というのがあったんですよ。でも「さすがにそれは長すぎるだろう」ということで30秒になりましたが、それでもだいぶ長いですけどね(笑)。あの複雑な“30秒の間”こそ、この作品を表しているような感じがします。
ーー当初は実際に2分で演じたんですか?
瀬戸 リハーサルでは本当に2分でやりました。晃平1分、高野さん1分、計2分ですね。
ーーその1分間、どんなことを考えていましたか?
瀬戸 「言うぞ……言うぞ……」という波が何回も来る、けど、喉まで出るけど言葉には出ない、「すーー……」という息としてしか出ない、みたいな。高野さんは顔を突っ伏しているから表情もわからないし、「あれ、死んだ……!?」というところまで考えてしまうような、変な“間”でしたね。






