■アイリを助けるために囮に…熱した鉄板の上を裸足で歩こうとしたリン

 ケンシロウが監獄・カサンドラに囚われていた兄・トキと再会していた頃、リンやバット、アイリがいる村は拳王侵攻隊の襲撃を受ける。

 彼らは村人に忠誠の証として腕に焼き印を入れるよう指示し、これに反抗する者は熱した鉄板の上に投げ込まれ、黒焦げになるまで踊らされる「灼熱の死のダンス」と称した処刑をするなど、非道な行為に明け暮れていた。

 そんな中、アイリとリンは見つからぬよう身を潜めていた。かつて囚われの身であったアイリはガタガタと震え「わたしたちは心を失くして人形となって生きるしかない」と絶望してしまう。

 しかし、リンは希望を捨ててはいけないと、涙を流してアイリを励ます。まだ幼い少女である彼女の強い言葉に心を動かされ、アイリはリンを強く抱きしめた。

 だがその時、拳王侵攻隊の兵士が隠れている2人の気配に気づく。するととっさにリンはアイリを隠して自ら囮となることを選ぶ。そして、鉄パイプを手に立ち向かうも、抵抗虚しく捕らえられてしまった。

 処刑場へ連行されたリンは、隊長から忠誠を誓うよう迫られるが、「誓いません!」「あなたたちのような悪魔には絶対に従いません」と、毅然と言い放つ。そして自ら靴を脱ぎ、「悪魔に屈したら人間ではなくなるとケンシロウが教えてくれた」と、自らを奮い立たせながら一歩ずつ灼熱の鉄板に歩み寄った。

 リンが死を覚悟したまさにその時、颯爽と現れたのがレイだ。安堵から倒れ込むリンだったが、抱きかかえたレイに「だ…大丈夫 心配しないで ア…アイリさんは無事よ…」と伝えたあと、こらえていた涙があふれ出すのであった。

 まだ子どもながら、自分のことよりもアイリの身を案じたリンの気丈な振る舞いは立派だった。その姿に心打たれたレイは、怒りを込めてあの名言「てめえらの血はなに色だ——っ!!」を、叫ぶのである。

 

 昭和の時代に連載が始まった名作『北斗の拳』。今読み返してみても、激しいバトルアクションはもちろん、深い人間ドラマもまた見どころ満載である。

 今回紹介した3人以外にも、命を賭してジャッカル一味から子どもたちを守ろうとしたバットの育ての母・老婆トヨや、ラオウの心にユリア以外の存在を刻むため自害した海のリハクの娘・トウなど、自らの信念を貫き、犠牲になった女性キャラは多い。

 新作アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』で、彼女たちの活躍はどのように描かれるのだろうか。それを楽しみに待ちたいものである。

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