世紀末は女性も強い!『北斗の拳』自らを犠牲に信念を貫いた「たくましすぎる女性キャラ」ユリアにマミヤ、リンも…の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳 究極版』第9巻(徳間書店)(C)武論尊・原哲夫

 新作アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』の放送が待たれる名作漫画『北斗の拳』(原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏)。北斗神拳や南斗聖拳に代表される屈強な男たちの熱きバトルに、手に汗を握った読者も多いだろう。

 だが、世紀末が舞台の本作では、そんな男たちにも引けを取らない芯の強い女性たちも多く登場し、活躍していた。今回は、自らを犠牲にしてでも信念を貫いた、たくましい女性キャラたちの印象的なシーンを振り返ってみよう。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■シンを目覚めさせるため、高層ビルから飛び降りたユリア

 主人公・ケンシロウの恋人であり婚約者のユリアは、南斗聖拳の使い手であるシンにさらわれる。物語序盤、ケンシロウはユリアを取り戻すために旅を続けており、やがて「KING」を名乗り関東一円を支配するシンの居場所を突きとめるのである。

 ユリアへの執念で凄まじい力を発揮するケンシロウだが、その根源を断つべく、シンはユリアを目の前で殺してしまう。しかし、ケンシロウは執念を超える怒りに燃え、死闘の末にシンを打ち破った。

 だが実は、このユリアは精巧に作られた人形であった。本物のユリアはすでに自ら命を絶っていたことが、シンによって語られる。

 暴力によって支配を拡大してきたシンは、ユリアの歓心を買おうと宝石やドレスを贈るが、「むしろ軽蔑する」と一蹴されてしまう。それでも諦められないシンは、巨大な街・サザンクロスを築き上げ、街ごとプレゼントしようと試みる。

 しかし、ユリアはケンシロウに一途であった。このままではシンはさらに非道な行いをし続けると考えた彼女は涙ながらにシンを諫め、彼の暴挙を止めるために高層ビルから身を投げたのである。

 後にユリアは“南斗六聖拳最後の将”として、彼女を守護する南斗五車星のリハクやフドウらによって助け出されていたことが判明する。フドウの回想シーンでは、ユリアが飛び降りる前に「これ以上の殺りくはやめて…」「どうか この命と引き換えに……」とシンに語りかける姿が描かれている。

 婚約者を傷つけられ、自らも囚われの身となった悲劇のヒロイン・ユリア。自分の身を犠牲にしてまでシンの悪行を止めようとしたその姿は、優しさと気高さを兼ね備えた、たくましい女性像そのものであった。

■恐ろしい牙大王相手に自ら人質になり暗殺しようとしたマミヤ

 とある村の孤児たちのため、彼らの面倒を見てくれるという村を訪れたケンシロウ。ユリアと瓜二つの容姿を持つマミヤがリーダーを務めるその村は、野盗・牙一族に狙われていた。

 この村には南斗水鳥拳の使い手・レイも滞在しており、ケンシロウとレイは協力して襲撃にきたザコたちを退ける。だが、復讐に燃える牙一族はマミヤの弟・コウを人質に取り、目の前で惨殺。その際、マミヤは助けに行こうとする村人を制し、1人のために他の犠牲者を出すわけにはいかないと強く言い切る。

 涙一つ見せず、リーダーとして気丈な態度を貫いたマミヤの姿に心を打たれたケンシロウとレイは牙一族の討伐を決意し、彼女も村の責任者として彼らに同行した。

 しかし、牙一族の首領・牙大王はレイの妹・アイリを人質に取る卑劣な手段に出る。レイが動揺する中、マミヤはこの状況を打開するため、自らケンシロウのフィアンセであると偽り、アイリの代わりに人質になることを志願。巨大で恐ろしい牙大王の懐に飛び込み、隙を突いて倒そうと捨て身の策に出る。

 だが、マミヤの計画は失敗に終わる。武器も通じず、人質が1人増えるという最悪の事態に陥った。

 牙大王は共倒れを期待し、ケンシロウとレイを戦わせた。だが、ケンシロウは本気で戦うことができない。すると、自分が死ねば兄は戦わないで済むと考えたアイリは舌を噛み、マミヤもまた槍の切っ先めがけて飛び込んだ。

 マミヤは「このまま人質となって生きのびようとは思わない!!」と叫び、「ケン! レイ! 村を 村を救って!!」と涙ながらに訴える。彼女たちの覚悟を受けとめたケンシロウは、レイと本気で戦うことを決意するのである。

 結果的にケンシロウの機転により、レイ、マミヤ、アイリは無事に救出され、牙一族は全滅した。村のリーダーとしての使命感と仲間を救うために命をかけたマミヤ。その凜とした強さに心を打たれた読者は多いだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3