2025年10月より公式YouTubeが開設され、大人は懐かしく、子どもは学べる動画として話題を呼んでいる『まんが日本昔ばなし』。そのストーリーを振り返ると、大人になった今も考えさせられることが多い。
しかし『まんが日本昔ばなし』の中には、「なぜ、そんな結末になっちゃうの!?」と驚くべき顛末を迎える話もある。一般的な物語であれば悪者が捕まってオチを迎えるような場面でも、「昔ばなし」の場合は予想外の結末に向かったケースもあるのだ。
そこで、ここでは思わず笑ってしまうような、異色でシュールな昔ばなしをいくつか紹介しよう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■まるでコント!? 地獄を追い出された3人組『地獄のあばれもの』
まずは、閻魔大王の怒りを買った3人の男たちの話を紹介しよう。それが『地獄のあばれもの』だ。
ある時、日照りが長く続き、作物は枯れ、病気が流行ったことで多くの人が亡くなった。その中にはヤブ医者と山伏、鍛冶師がおり、3人は生前のおこないが悪かったために閻魔大王によって地獄へ送られる。
地獄での最初の試練は剣の山を登ることだったが、鍛冶師が鉄のわらじを作り難なく乗り越える。次に“釜茹での刑”に処されるが、山伏の力で熱湯風呂はぬるま湯に変わる。
怒った閻魔大王は3人を飲み込むが、今度は腹の中で医者が体が溶けない薬を3人に分けた上、さらに大暴れして閻魔大王を苦しめる。最後は下し薬を腹の内部に塗り、無事にお尻から脱出。
閻魔大王は“よくもわしに恥をかかせたな、さっさと娑婆へ舞い戻れ!”と彼らを現世に投げ返し、3人はいつまでも幸せに暮らしたというオチだ。
3人がそれぞれの特技を生かして鬼たちを翻弄し、苦難を乗り越える姿は、まるでコントのよう。また閻魔大王の腹の中で大暴れし、大王を笑わせたり泣かせたりする様子も非常にユニークだ。
3人の男が死んで地獄へ落ちるという悲惨な展開なのに、死んでからも明るく苦難を乗り越えようとする姿はなんともシュールで笑わせてくれる。
■馬をも担ぐ怪力老婆の登場『力ばあさま』
次に紹介するのは怪力な老婆が登場する『力ばあさま』だ。
昔、長野の佐久に、ありえないほどの怪力を持つ老婆がいた。ある年の瀬、ばあさまが餅をつく音が地獄まで響き、餅を求めて怪力鬼の万力(まんりき)が襲来。万力は村を回って餅を脅し取り、最後にばあさまの家に行く。
鬼に餅をやりたくないゆえ、断固拒否するばあさま。すると万力はばあさまの腕を掴んで「餅を出せ」と脅した。しかし、ばあさまが逆に腕を力一杯引き寄せると、万力はそのあまりの強さに泣いて降参する。
二度と悪さをしないと誓わせ、ばあさまは手を離して万力を帰すが、腕を強く引っ張られたことで万力の左腕は道中でポロリと落ちてしまう。この腕が落ちた場所は今も「落手場(おってば)」という地名で語り継がれているそうだ。
作中でばあさまは米2表をポンポン放り投げたり、馬を1人で担ぎ上げたりと、常識では考えられないほどの怪力を見せていた。リアルに存在したら、間違いなくバズる存在だろう。こんな頼もしいおばあさんが現代にもいてくれたら……と、想像を掻き立てられるエピソードだ。


