存在すら“なかったこと”に…『ONE PIECE』世界政府によって「国や島が消えた大事件」オハラにフレバンス王国、ルルシア王国も…の画像
『ワンピース ワールドコレクタブルフィギュア PREMIUM-モンキー・D・ルフィVS五老星(プレミアムバンダイ) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 今年で連載29周年を迎える『ONE PIECE』(尾田栄一郎氏)。物語はいよいよ最終章に突入し、長年伏せられてきた多くの謎が解き明かされつつある。その裏で、世界を牛耳る「世界政府」の暗躍がいっそう目立ち、彼らが歴史の影で繰り返してきた多くの悲劇が浮き彫りになってきた。

 最近の『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて明かされた「ゴッドバレー事件」の意外な真実にも世界政府が深く絡んでおり、「世界政府を許せない!」と憤りを感じる読者も少なくないだろう。

 世界政府は、彼らにとって都合の悪い真実を揉み消すためなら絶大な権力と暴力を行使し、ときには国や島を滅ぼすことも厭わない。その大規模な隠蔽工作は物理的にも歴史的にも対象を抹消する。作中では、その悲劇からかろうじて生き残ったキャラが回想シーンにて、その惨劇を振り返るエピソードも見られる。

 そこで今回は、『ONE PIECE』の世界政府が隠蔽のために国や島を消した大事件を紹介しよう。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

 

■「歴史の本文」を研究しただけで島が消された…オハラ

 まずは、“麦わらの一味”の頼れる考古学者、ニコ・ロビンの故郷、西の海(ウエストブルー)のオハラが「バスターコール」によって消えた事件を見てみよう。

 いつもクールな彼女がオハラの話や「バスターコール」という言葉を聞くと激しく取り乱すほど、根深いトラウマを負わせた出来事である。オハラの惨劇は、第391話から始まる彼女の回想で克明に描かれている。

 オハラは「全知の樹」と呼ばれる巨大な図書館を有し、世界中から考古学者が集う島として栄えていた。そこの学者たちは、空白の100年の歴史が記された「歴史の本文(ポーネグリフ)」の研究を秘密裏に進めていた。「歴史の本文」の解読は世界政府により禁止されていたが、クローバー博士をはじめとするオハラの学者たちは、「語られない歴史を知りたい」という純粋な好奇心で研究を続けたのだ。

 しかし、世界政府はオハラを許さなかった。海軍本部中将5人、軍艦10隻からなる大戦力で無差別攻撃を仕掛け、対象をせん滅するバスターコールを発動し、考古学者の研究ごとオハラを消滅させたのだ。

 軍艦の一斉砲撃は、学者はおろか関係のない無実の一般市民が乗った避難船まで標的にし、島を破壊し尽くした。生存者は、当時8歳の幼いロビンただ1人。その後、彼女は「悪魔の子」として指名手配され、主人公、モンキー・D・ルフィたちと出会うまで苦難に満ちた逃亡生活を送ることとなる。

 世界政府がこれほどまでに「歴史の本文」の研究を禁じる理由は、彼らにとって不都合な真実……特に800年前に存在していた「ある巨大な王国」の存在が記されていたことが示唆されている。その全貌が明かされる日は、そう遠くないのかもしれない。

■利益のために「死の病」を隠蔽した…フレバンス王国

 次は、ルフィと同じ「最悪の世代」のひとり、トラファルガー・ローの故郷である北の海(ノースブルー)のフレバンス王国だ。

 この国の地下には「珀鉛(はくえん)」と呼ばれる特殊な鉛が埋まっており、それを掘り出して加工・輸出する産業が盛んだった。この「珀鉛産業」には世界政府もかかわっており、フレバンス王国とともに莫大な富を築いていた。

 しかし、後の地質調査によって、珀鉛は子孫の寿命を縮める毒であることが判明する。人体に溜まった珀鉛の毒は子、孫へと受け継がれていき、やがて大人になる前に寿命を迎える世代が生まれるのだ。人道的に考えるなら、即座に珀鉛の採掘を中止すべきだった。

 だが、珀鉛産業がもたらす富を惜しんだ世界政府は、珀鉛が毒であることを地質調査で把握しながらも、当時の王族と結託して真実を隠蔽した。何も知らない国民たちは珀鉛を掘り続け、数世代を経て髪や肌が白くなって死んでいく「珀鉛病」が爆発的に蔓延。大人になる前に全住民が死に絶えるという地獄絵図が展開された。

 その後のフレバンス王国の末路は、悲惨のひと言。「珀鉛病」は伝染病だと誤解した周辺諸国がフレバンス王国を隔離したため、その窮状を打破しようと国民が立ち上がり戦争が勃発。そして、ローが10歳になる頃にはあえなく滅亡してしまった。

 世界政府がこの間にやったことと言えば、利権を共有していた王族を密かに逃がしただけ。オハラのように直接手を下したわけではないが、自分たちの利益のために珀鉛のリスクを隠蔽し、戦争を黙認したことが、1つの国を緩やかに滅ぼしたともいえる。

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