原作・武論尊氏、作画・原哲夫氏による不朽の名作『北斗の拳』。主人公・ケンシロウをはじめとする魅力的なキャラクターが多く登場する本作だが、そのほとんどがまるでボディビルダーとして活躍できそうなマッスル体型の持ち主だ。
しかし、物語の舞台は、水すらも貴重な核戦争後の荒廃した世界である。慢性的な食糧不足に陥っている世紀末において、彼らはいったいどうやってあのような強靱な体型を維持していたのだろうか。
ここでは、過酷な環境下におけるケンシロウたちの食生活と、知られざる栄養源について考えてみたい。
※本記事には作品の内容を含みます
■ケンシロウの食事はかなり悲惨…あの肉体はどうやって維持していたのか
まずは、旅を続ける主人公・ケンシロウの食事内容を振り返りたい。
物語冒頭、ケンシロウは初登場時から「み…水…」と力なく呟きながらふらふらと彷徨い歩いており、しばらく何も口にしていなかったことがうかがえる。
その後、村の自衛団に捕らえられ、リンから水や食料をもらったケンシロウ。その際の食事は、何やら平べったいパンのようなものとトマトであった。これだけでケンシロウは「生き返ったよ…」と感謝しているが、成人男性としてこれで本当に足りるのか心配になってしまう。ましてや彼は、激しい戦闘を繰り返しているのだ。
その後、ケンシロウはバットを連れて旅に出て、大男を倒した報酬としてオアシスの店で「1日半分」の食料をもらっている。それはボンレスハムのような肉らしき食材と缶詰が1つ。これをバットと2人で数食に分けて食べるとすれば、あまりにも少なすぎるだろう。
ちなみに、これらの食事で成人男性がマッチョ体系を維持できるのかを、AIに聞いてみたところ、「筋肉を合成するための総カロリーと炭水化物がこの内容では少なすぎます」という回答が。さらに「体を大きくしたいなら白米を追加して炭水化物を増やしてください」というアドバイスまで得られた。
やはり、作中で描かれる断片的な食生活だけでは、ケンシロウのようなマッチョな体を維持するには到底足りない。彼の食生活は、客観的に見てもとても悲惨なことが分かる。
■カサンドラの囚人たちが耐え抜いた極限の低カロリー生活の謎
主人公でさえもろくに食べられない世界において、虐げられた民衆の生活はさらに過酷であった。とくに、拳王ラオウ配下のウイグル獄長が統治していた不落の監獄「カサンドラ」に収容されていた人々の食事は、作中で最も悲惨だったと推測される。
ところが、のちに解放された囚人たちの姿を見ると、疲れで衰弱しているとはいえ、あまり痩せ細っている印象はない。とりわけ、カサンドラの衛士として強制的に働かされていた双子のライガとフウガ、その弟のミツなどは筋肉隆々であり、割と良い食事を与えられていた可能性も考えられる。
3か月に1回しか太陽の光を浴びられないなど、劣悪な環境のカサンドラ。だが、囚人たちの肉体が維持されていたのはなぜか。もしかしたら、過酷な強制労働という名の“トレーニング”と獄中食が、奇跡的なPFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物の摂取比率)を実現していたのかもしれない!?


