■死んだ仲間が迎えに来た!? 救いか絶望か…『FiVE』
1997年に日本テレビ系列で放送されたドラマ『FiVE』(ファイブ)は、女子刑務所を脱獄した少女たちが自由と引き換えにスパイとなり、悪の組織に立ち向かうアクション大作だ。しかし、その結末は今なお「あまりに不可解で衝撃的」と語り継がれている。
物語は、関東女子刑務所を脱走したナナカ(鈴木紗理奈さん)ら5人が、謎の男・淀橋幸世(唐渡亮さん)から“匿う代わりにスパイになれ”と迫られるところから始まる。
しかし、第2話で早くもエリ(榎本加奈子さん)が命を落とすと、その後も最終回に向け仲間の死が相次いだ。
主人公のアサミ(ともさかりえさん)は宿敵を仕留めるも、銃弾を浴びて淀橋と共に絶命。ナナカも仲間に道を切り開くため、ダイナマイトを抱えて敵陣へ向かい爆破するなど、5人の仲間のうち4人が命を落とすという展開を辿る。
最終的に生き残ったのはマドカ(知念里奈さん)ただ1人だった。戦いを終えた彼女が刑務所の独房に戻ると、そこには死んだはずの4人の姿があった。「待ってたわよ」と微笑むマドカ、それに対しそっと手を差し伸べるアサミ。最後、5人は肩を寄せ合い、輝く光に包まれて消えていくのである。
本作のラストは、いわゆる「消滅エンド」という展開だが、これはマドカが見た夢だったのか、あるいは彼女も死んであの世で再会を果たしたのか、解釈が分かれた。
まるで宇宙へ旅立つかのような、SF的な神秘性もあるこのラストシーン。できることなら5人全員が生き延びて人生を謳歌してほしかったが、ようやく安らぎの場所にたどり着いたという「救い」としての解釈もできるかもしれない。
当時の視聴者を釘付けにした、主人公たちの「生死不明」という衝撃的なラストシーン。それは、あえて答えを提示しないことで、作品を印象付けるための最高の演出だったと言えるだろう。
今回紹介した3つの作品は、いずれも人間の嫌な部分や社会の闇を描いた野心作であった。ストーリーが重厚だったからこそ、結末が不確定であることが視聴者の心にいつまでも残る鍵となっているのかもしれない。


