■話を聞いただけで犯人を特定
優作は、現場にいなくても電話での情報だけで犯人を特定するという離れ業を、コミックス第92巻収録「さざ波の魔法使い」で披露している。
事件の舞台は10年前の海水浴場。そこで幼い新一は、のちのFBI捜査官・赤井秀一と初めての出会いを果たす。彼らが海水浴を楽しんでいると、突然、崖から1台の車が海へと転落した。
赤井が車内から運転手の男性を救出したが、すでに死亡していた。さらに、男性の所持品から値札のついたブランド時計が多数発見され、彼が強盗犯であることが判明する。
共犯者とみられる同乗者が逃亡した形跡があったため、海水浴場での犯人探しが始まる。容疑者が3人に絞られたところで、様子を見ていた有希子が優作に電話をかけ、事件の概要を伝えた。
有希子から3人の容疑者の写真を送ってもらうと、優作はそれを見ただけですぐに犯人を特定した。決め手となったのは、容疑者たちが身につけていた腕時計だった。
容疑者の1人が身につけていた時計は10時10分で止まっていた。これは、時計店がブランドのロゴを見せるためによく用いる展示用の時刻であり、その時計が盗品であることをしめしていたのである。
新一も犯人に対して同じことを指摘していたが、優作は現場におらず、話を聞いてちょっと写真を見ただけ……。圧倒的に情報が少ない状況でもサクッと解決してしまう優作は、やはり新一以上の推理力の持ち主といえる。
■黒ずくめの組織「あの方」の正体を見抜く
最後に、黒ずくめの組織の核心に迫る優作の推理を紹介する。コミックス95巻収録「マリアちゃんをさがせ!」での一幕だ。
修学旅行先の京都で一時的に元の姿に戻った新一は、事件を解決したことで生存が世間に知られ、危険な状況に陥る。その事態を収拾するため、優作は新一の前に姿を現した。
その際、優作は長年の謎だった組織のトップ、通称「あの方」の正体について、赤井と話し合って導き出した結論を披露する。17年前の「羽田浩司殺害事件」の現場に残された「ASACA」と「RUM」の文字をひとつなぎにすると、ある人物が浮かび上がるというのだ……。その人物とはなんと、半世紀前に謎の死を遂げたとされる大富豪・烏丸蓮耶だった。
物語最大の謎とされてきた黒幕の正体にたどり着いたことからも、優作が作中屈指の頭脳を持つ人物であることがわかる。
優作には、新一にはまだない人生経験と豊富な知識がある。世界的な推理作家という職業柄、犯人の心理や行動を推測しやすいというのもあるだろう。
あまりにも鮮やかに事件を解決してしまうので、物語に頻繁に登場させられない、まさに規格外のキャラクターといえるだろう。しかし、黒ずくめの組織との戦いが始まれば、物語の展開を左右する重要人物となる可能性も高い。今後のさらなる活躍に期待が集まる。


