「友情・努力・勝利」をスローガンとする『週刊少年ジャンプ』(集英社)には、この言葉を体現する胸熱でワクワクさせられる作品が多い。特に、仲間とともにピンチを乗り越えた時に得られる爽快感や達成感は何ともいえない。
主人公たちが直面するピンチが大きければ大きいほど、その過程で命を落としてしまうキャラクターもいる。その退場には、仲間も読者もショックを受け、涙を流す……。しかし、時には死んだはずの人物が実は生きていたという展開が描かれ、拍子抜けすると同時に喜びを感じることもある。
今回は、そんな「絶対死んだと思ったのに実は生きていたキャラ」を取り上げ、当時の驚きとともに振り返っていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■ヒロインの退場に愕然…『るろうに剣心』神谷薫
和月伸宏氏による『るろうに剣心 ー明治剣客浪漫譚ー』の衝撃展開の1つに、ヒロインである神谷薫の“死亡シーン”がある。
主人公・緋村剣心と、彼の妻だった雪代巴の弟・雪代縁との因縁を描いた「人誅編」でのこと。縁は姉の仇である剣心への復讐を果たすため、彼の“一番大切な人”である薫を犠牲にすることに決める。
剣心があわてて駆け付けた頃には、薫は変わり果てた姿になっていた。胸に刀が突き刺さり、傷口からはおびただしいほどの血が流れていた。うつろな目はもう何も映さず、その表情は絶望を感じさせるほど暗く冷たかった……。
ふだんの朗らかな彼女とは似ても似つかない、生気のかけらもない姿は、剣心や読者に非情な現実を突きつけるのに十分なものだった。あまりに大きなショックを受けた剣心は抜け殻のようになり、戦うことはおろか、まともに生活を送ることすらできなくなる。まさに、縁の思い通りになったわけだ。
しかし、薫は生きていた。彼女の遺体に見えたものは、天才的な人形師である外印が作った精巧な人形だったのだ。衝撃的な死の4話後にこの真相が明かされた時、心底ほっとした読者も多かったはずだ。
剣心も彼女の生存を知った途端にいつものペースを取り戻していたので、彼にとって薫がいかに大事な存在かがひしひしと伝わってきた。それにしても、本当に薫が死んでいたらと思うとゾッとしてしまう……。
■二度目の死が悲しかった『ジョジョの奇妙な冒険』モハメド・アヴドゥル
荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』では、数多くの無情な死が描かれており、あっけない途中退場にショックを受けることも多い。そんな中、“まさかの復活”を果たしたのが、第3部に登場したモハメド・アヴドゥルである。
ジャン・ピエール・ポルナレフは、DIOの配下であるホル・ホースとの戦いで、復讐のことしか頭になく冷静さを欠いていた。そのせいで相手の力量を見誤り、銃で眉間を撃ち抜かれそうになってしまう……。
そこに突如としてアヴドゥルが割って入り、ポルナレフを助けた。しかし彼は、水たまりに潜んでいたJ・ガイルに背中を刺され、ホル・ホースの弾丸を眉間に食らってしまう。
その後、ジョセフ・ジョースターが「遺体を埋葬した」と告げたため、ポルナレフも読者もアヴドゥルの死を受け入れざるをえなかった。しかし、一行が旅を続ける中、なんとアヴドゥルが再びポルナレフの窮地に現れる。
実は、ホル・ホースの弾丸はアヴドゥルの額をかすめただけで脳まで達しておらず、ひそかに治療を受けて復活していたのだ。なお、この事実を知らなかったのはポルナレフだけ。アヴドゥルの復活後、感激するポルナレフと他の仲間の温度差は半端なく、安心しつつクスリとさせられた。
しかし、その後のヴァニラ・アイスとの戦いで、アヴドゥルは暗黒空間に飲み込まれて消え去ってしまう。二度目の死はあまりにもあっけなく、一度復活したからこそ絶望感が大きかった……。


