『BLEACH』ウルキオラに『H×H』メルエムも…何度読んでも涙が止まらない、敵キャラの最期に号泣した「少年漫画の伝説的シーン」の画像
DVD『BLEACH破面・出現篇1』【完全生産限定版】(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ

 アニメや漫画には、単なる憎むべき存在とはいえない敵キャラクターも存在する。彼らは“完全な悪”ではなく、ある者は運命に翻弄され、またある者は自身の存在意義に苦悩する。

 時には敵対する相手を前にしながら自らの行動に迷い、相手を理解しようとする姿勢を見せる。予想外の行動で命を投げうち、最期は“正義”のために散っていく者さえいる。当初は悪役として登場したキャラクターが見せるそうした姿は、読者や視聴者に深い感動を与えるのだ。

 今回はそんな敵キャラたちが迎えた、伝説ともいえる感動的な最期を紹介したい。

 

※本記事には、各作品の核心部分の内容も含みます。

■フランシーヌ人形の最期の笑顔

 藤田和日郎氏の『からくりサーカス』(小学館)には感動的なエピソードが数多く存在するが、中でもフランシーヌ人形の最期は特に印象深い。

 物語の諸悪の根源として描かれるフランシーヌ人形は、創造主の白金に笑顔を望まれながらも応えられず、ついには手放されてしまった。

 やがて日本に渡った彼女は、自身と瓜二つの女性・才賀アンジェリーナと出会う。そして、アンジェリーナの娘・才賀エレオノールを育てるのを手伝う中、これまで持ちえなかった人間的な感情を芽生えさせていく。

 しかしそんな中、エレオノールの中にある「柔らかい石」を狙う自動人形の軍勢が襲来。フランシーヌ人形は、アンジェリーナからエレオノールを託され、安全な場所へ逃げるよう指示された。

 エレオノールを守ろうと奮闘するフランシーヌ人形だが、逃げる途中で井戸に転落してしまう。するとエレオノールの体内の「柔らかい石」が水に反応し、万物を溶かす「生命の水(アクア・ウイタエ)」を作り出してしまう……。

 生命の水はフランシーヌ人形の体も溶かし始める。しかしそんな危機的状況にありながらも、彼女はエレオノールの体を必死に持ち上げ、泣き出した彼女をあやすために見様見真似の「べろべろばあ」をしてみせた。

 それを見たエレオノールが笑うと、それに応えるようにフランシーヌ人形も生まれて初めての笑顔を浮かべる。こうして役目を終えた彼女は、満足げに溶けて消滅した。

 単なる人形として生み出されたフランシーヌが、心から望んだ「人間」にようやくなれた、非常に感動的なシーンである。

■人の心を理解したウルキオラ

 続いては、久保帯人氏による『BLEACH』(集英社)のウルキオラ・シファーの最期を紹介したい。この感動的なシーンは、主人公・黒崎一護との死闘の末に描かれる。

 破面(アランカル)のウルキオラは、いわゆる悪霊のような存在でありながら、藍染惣右介の命令で監視していた井上織姫の姿を通じ、少しずつ人間について知っていく。彼を語る上で欠かせないのが、「心」というキーワードだ。

 ウルキオラは一護との最後の戦いで、一時は圧倒的な実力差を見せつけるものの、覚醒した一護の力には及ばず敗北してしまう。そして肉体がチリとなって消えゆく中、織姫に手を伸ばし「…俺が怖いか 女」と問いかけた。

 ウルキオラの問いに対し、織姫は「こわくないよ」と答える。この返答は、かつて囚われの身の織姫に「怖いか?」と問いかけた時とまったく同じものだった。彼女は続けて、「あたしの心はもうみんなと同じ処にある」と語ったのだった。

 大きく違ったのは、彼女の言葉を聞いた後のウルキオラの心情。最初の問いかけの時、彼は織姫が語る「心」を理解できず、ただ興味を惹かれただけだった。しかし、消えゆく自分に手を伸ばす織姫の優しさを見た彼は、「この掌にあるものが 心か」と静かに納得する。心を理解しない存在だったはずなのに、最期の瞬間に答えにたどり着いたのだ。

 複雑なキャラクター性、ドラマ性を持つ人物であり、敵ながら彼の退場を惜しむファンは多い。

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