1990年に第1作目が発売されたゲーム『ファイアーエムブレム』シリーズ。深みのあるストーリー、歯ごたえのある難易度などで今でも根強い人気を誇るシミュレーションRPGである。
2026年には最新作『ファイアーエムブレム 万紫千紅』がNintendo Switch 2で発売されることが発表されており、あらためて注目を集めている。
これまでのシリーズにはさまざまなタイプのキャラが登場してきたが、中でも傭兵・剣士のキャラクターは「速い、強い、かっこいい」と三拍子そろったキャラが多く、プレイヤー人気も高い。流浪の剣士が1人で敵の騎士団の大軍と渡り合う姿は痛快で、初期のファイアーエムブレムシリーズを象徴するユニットといってもいいだろう。
そんな鬼神のごとき強さを誇る剣士たちだが、ファンの間ではどのキャラクターが最強なのか話題に上がることもしばしば。今回は初期のファイアーエムブレムシリーズを彩った剣士たちを紹介し、いかに強かったかを振り返っていきたいと思う。
■のちの剣士像を作り上げた2人の傭兵、オグマとナバール
まずは『暗黒竜と光の剣』(1990年)、『紋章の謎』(1994年)より、傭兵のオグマとナバールを振り返りたい。
2人とも序盤で仲間になり、最後までレギュラーを張れるキャラクター。オグマはタリス王国で傭兵部隊の隊長を務めており、頬に傷を持つ筋肉隆々としたビジュアルが歴戦の勇士を思わせる。対するナバールは、「女を斬る剣は持っていない」という歯の浮くようなセリフも彼ならば許されてしまう長髪のイケメンキャラだ。反面、死神と呼ばれるほどの強さで恐れられている剣士でもある。
2人の強さは、なんといっても攻撃回数と必殺の一撃にある。
ナイト系のキャラクターが使用する槍が基本的に重いのに対し、剣士が使う剣は軽いものが多い。
そのため、初期メンバーのカインやアベルと比べると力は多少劣るものの、ほとんどの相手に2回攻撃を叩き込めるため、結果的に相手に与えるダメージは上回るのだ。
さらに、2人ともパラメータの「わざ」の数値がかなり高いのも特徴。わざが高いと、ダメージが3倍になる必殺の一撃が出やすくなる。加えて「キルソード」という剣を装備すると必殺の一撃の確率がかなり上がるので、終盤になると2回攻撃のうち、どちらかは必殺の一撃というのが当たり前になってくる。こうなるとまさに無双状態であり、困ったらオグマやナバールで敵に挑む構図になったプレイヤーも多かっただろう。
そんなオグマとナバールのすごいところは、のちの作品に彼らをオマージュしたキャラが多数登場してくるところ。それらのことごとくがエースキャラになりうる存在だった。
たとえば、『トラキア776』(1999年)に登場するシヴァは、長髪で女性キャラのサフィに優しいというナバールを思わせるキャラであるし、『聖魔の光石』(2004年)に登場するジストは、傭兵隊の隊長で筋骨隆々という、まさにオグマのオマージュキャラといっていい。
さらに『封印の剣』(2002年)にはディーク、ルトガーという2人の剣士が登場するが、そのまま「オグマとナバール的なキャラ」と紹介してもいいぐらいである。
ファイアーエムブレムシリーズの剣士のイメージ像を確立したという点においてもオグマ、ナバールの2人は伝説級の剣士といえるかもしれない。
■強力なスキルが魅力! 最強の女剣士ラクチェ
続いて紹介するのは『聖戦の系譜』(1996年)のラクチェである。本作は前半はシグルド、後半はセリスというグランベル王国の2人の親子を主人公として描かれる壮大なストーリー。親世代である前半でキャラクター同士が恋愛し、その結果によって子世代である後半に登場するキャラクターの能力が変わるという要素が特徴的だった。
ラクチェが登場するのはゲーム後半からである。母親の女剣士アイラは流星剣というスキルを持っていて、多くのキャラが2回攻撃までしかできない中、確率で5回攻撃までできるため、ものすごく強い。
だが、ラクチェの強さはそんなアイラをも上回る。
本作は、子世代のキャラは基本的に親が持っている個人スキルを引き継ぐシステムになっており、ラクチェはアイラの流星剣を引き継ぐため当然強い。
そして、父親に誰を選ぶかによって、ラクチェにはさらに強力なスキルがプラスされるのだ。たとえば、父親が剣士ホリンだった場合は、「月光剣」というスキルが追加される。このスキルは確率で敵の守備力を無視してダメージを与えられる。そして騎士レックスの場合は「エリート」というスキルで経験値が2倍もらえるようになる。月光剣があればどんな敵の装甲も貫けるし、エリートがあれば成長が早く、すぐに強くなれる。
何よりホリンにせよ、レックスにせよ、アイラと相性が良いため、カップルになりやすいのもポイントである。
つまり、何もしなくても強力なキャラになりやすいという点も、ラクチェが最強剣士に挙げられる理由の1つといえるだろう。


