■現実世界に実在する格闘選手との比較も?

 実はミスター・サタンの強さについて、作者の鳥山明先生が言及したことがある。『ドラゴンボール完全版公式ガイド Dragonball FOREVER 人造人間編~魔人ブウ編 ALL BOUTS&CHARACTERS』(集英社)の中で、鳥山先生はサタンの強さについて「けっこう強いと思うんですよね。でも…ボブ・サップほどは強くない気がしますね」と冗談混じりに述べていた。

 ボブ・サップとはアメリカ出身の元アメリカンフットボール選手で、格闘家に転向後はK-1やPRIDEなどで活躍。「野獣(ビースト)」の愛称で大ブレイクした。

 この『Dragonball FOREVER』が発売された2000年代前半のボブ・サップ選手はまさに全盛期で圧倒的な強さを誇り、K-1を三度も制したアーネスト・ホースト選手に勝利したほど。その強烈な印象もあって、鳥山先生が名前を出したのかもしれない。

 その言葉をそのまま信じるなら、サタンの強さは全盛期のボブ・サップにはかなわないにせよ、リアル世界の最強クラスの格闘家に匹敵するレベルということになる。

 ちなみに『ドラゴンボール』の作中に登場する一般人で戦闘力が判明しているのは、悟空の兄ラディッツが地球に襲来したときに登場した「戦闘力5のおっさん」と呼ばれる銃を持った農家の人である。

 とはいえ「魔人ブウ編」でサタンは、銃を持った若者をきっちり倒しており、「戦闘力5のおっさん」よりは相当強いはず。全盛期のボブ・サップ選手も持ち前の突進力で銃を持った一般人くらい制圧できそうなので、鳥山先生の評価とも矛盾はなさそうだ。

 こういった、さまざまな描写や発言をあらためて振り返ってみると、サタンは一般人レベルでは到底かなわない、現実世界の現役最強の格闘家に匹敵する強さはあると考えられる。そこにセルに吹っ飛ばされてもピンピンしていたタフさや、持ち前の悪運の強さも加味すれば、「さすがは格闘チャンピオン」といったところだろう。

 それにサタンには悟空たちほどの戦闘力はないかもしれないが、魔人ブウ編では悟空の超元気玉を完成させるアシストをして、実際に世界を救ってみせた救世主なのは紛れもない事実なのだ。

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