■裏社会のトップに立つ男も…

 表の世界で成功する者がいる一方、裏社会や専門職で頂点を極めた者もいる。圧倒的なカリスマ性を誇った伊達臣人は、関東最大の暴力団組長として君臨。和服を粋に着こなし、元三号生の卍丸を組員として従えるなど、裏社会の絶対的強者となっている。その武力は衰えるどころか凄みを増しており、槍一本で戦車を打ち破るという人間離れした伝説まで築いている。

 対照的に、三面拳の美男子・飛燕は、その繊細な指先を活かして医師となり、全日本青年医師会の理事長を務めている。なお、同じ三面拳の雷電と月光は職業こそ不明だが、同窓会に顔を出すなど健在ぶりが確認されている。

 そして多くのファンを驚かせたのが、本編で命を落としたと思われていた「男塾の帝王」大豪院邪鬼の生存だろう。三号生筆頭だった邪鬼は、国防の最高責任者である防衛庁長官(現在の防衛大臣に相当)に就任。本編であれほど壮絶に散っていった彼が実は生きており、しかも国家の要職に就いていたという展開は、まさに「民明書房」も驚くほどの超展開だ。

 彼らを育て上げた江田島塾長も、本作で重要な役割を果たす。主人公ソラとは激しくぶつかり合いながらも、次第に親子のような絆を深めていく。一時は病魔に倒れ葬儀まで行われるが、ソラがオリンピックで獲得した金メダルを手に駆けつけると奇跡の復活を遂げるという、相変わらずの「平八節」を見せつけた。

 体を乗っ取られながらも圧倒的な力を発揮する場面もあり、塾生たちがどれほど出世しようとも、常にその「頂点」が塾長であることは変わっていないようだ。

 

 『天より高く』で描かれた塾生たちの「その後」は、一見すると荒唐無稽な成功物語に思える。しかし、究極のスパルタ教育を生き抜いた彼らにとって、社会の荒波を乗り越えて頂点に立つことは、むしろ当然の結果だったといえるだろう。

 

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