■「老人と寧々」では犯罪の被害に!
そして先日放送されたseason24第11話「老人と寧々」でも、再びこの小説が登場。このエピソードでは、学内の読書サロンの蔵書にネタバレが書き込まれるという小さな事件に挑む。そして、その被害は『亡霊たちの咆哮』にまで及んでしまったのである。
シリーズの中でも特に穏やかなエピソードではあるが、『亡霊たちの咆哮』の再登場には、シリーズ放送開始25周年という節目も関係しているだろう。脚本は、本作の生みの親である輿水泰弘さんが担当している。
そのため、ファン心をくすぐるキーワード『亡霊たちの咆哮』や、再登場が望まれていた寧々の活躍など、見どころと遊び心が詰まったエピソードになっていたのである。
事件が解決した後、右京がネタバレ部分を筆ペンで黒塗りしたことで一件落着……かに思われた。しかし、次第に右京の様子がおかしくなり、「僕の手からペンを奪ってください!」「今、僕はこれをのり弁状態にしたい強い衝動に駆られています!」と叫び始める始末。
薫が抑え込んで事なきを得たが、この小説が右京にとってトラウマ級の黒歴史になっていることがよくわかるシーンである。
エピソードの最後で右京が見せる表情は、普段の姿からは想像もつかないほど凶悪で、執念すら感じさせるものだった。この作品をこの世から抹消するという野望は、どうやら依然として消えていないらしい……。『亡霊たちの咆哮』をめぐる右京の戦いは、まだまだ続きそうだ。
『亡霊たちの咆哮』は、事件を引き寄せる不思議な力を持つようだ。「監禁」では連続殺人事件や薫の監禁の発端となり、今回の「老人と寧々」でも連続ネタバレ事件の被害にあってしまう。右京の黒歴史であると同時に、薫にとっても苦い思い出のある作品だ。
一歩間違えれば、右京すらも犯罪者に変えてしまいかねない危険な代物。今後もその存在は右京を悩ませ、相棒である薫は右京の暴走を全力で阻止することになるだろう。『亡霊たちの咆哮』をめぐる攻防は、これからも続いていくにちがいない。


