■逃れられない過酷な運命…悲劇に散った恋人たち
最後は、過酷な運命によって愛する人を失い、悲劇的な結末を迎えたドラマを振り返る。
まずは、2002年にフジテレビ系列で放送された『空から降る一億の星』だ。
見習いコックの片瀬涼(木村拓哉さん)と、ヒロイン・堂島優子(深津絵里さん)は、互いに惹かれ合うが、物語の終盤で衝撃の真実を知る。2人が決して結ばれてはならない関係だと知った時には、すでに後戻りできない状況にあった。
そして最終回。湖上のボートで銃声が響き渡り、愛し合う2人が共に命を落とす結末は、ドラマ史に残る救いのない展開として知られる。本作は2018年に韓国でもリメイク版が放送され、人気を博した。
また、2006年にTBS系列で放送された『白夜行』も、残酷な運命を背負った男女の物語だ。
幼い頃に犯したある過ちから、太陽の下を歩けなくなった桐原亮司(山田孝之さん)と唐沢雪穂(綾瀬はるかさん)。
亮司は雪穂の幸せだけを願い、彼女のために犯罪を重ね、最後は彼女の目の前で命を絶つ。その亡骸に背を向けて去って行く雪穂の姿は冷酷にも見えるが、2人の間にあったのは歪んだ、しかし深く純粋な愛だった。
本作の主演である山田さんと綾瀬さんは、上述した「セカチュー」コンビでもあり、「この2人が共演するとハッピーエンドにはならないのか」と、視聴者の間で話題となったほどである。
両ドラマが描いたのは、本人の努力ではどうにもならない血縁や過去の呪縛だ。愛すれば愛するほど破滅へと向かってしまう運命はあまりにも切ない。しかし、その絶望感こそが、物語に深みを与え、視聴者に強烈な印象を残す理由になっているのだろう。
今回紹介したドラマは、いずれもハッピーエンドではないため、見終わったあとにスッキリとした爽快感を味わうことはできないだろう。
それでも悲劇的な結末だからこそ強く印象に残り、「こういう愛の形もあるのか」と心を揺さぶられる。物語が終わった後も、胸を締め付けられるような切なさと深い余韻が長く続くのだ。それこそが、これらの作品が伝説として語り継がれる要因なのかもしれない。


