恋愛ドラマの最終回といえば、多くの視聴者は主人公とその相手が結ばれることを期待するだろう。紆余曲折を経て2人が結ばれるハッピーエンドは、見ているこちらも嬉しくなるものだ。
しかし、過去に放送された人気恋愛ドラマの中には、予想だにしない「悲劇」で幕を閉じる作品も存在する。病によって結ばれなかったり、愛し合っていたからこそ共に死を選んだりと、絶望的な最終回を迎えるケースは少なくない。
ここでは、切なすぎるラストを迎えた伝説のドラマを振り返りたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■許されぬ愛の果てに…共に死を選んだ恋人たち
まずは、極限の愛の形として、最終的に愛し合う2人が心中する悲劇を描いた作品を紹介したい。その代表格が、1997年に日本テレビ系列で放送された『失楽園』だろう。
本作は、大手新聞社に勤める久木祥一郎(古谷一行さん)が、美しい人妻の松原凜子(川島なお美さん)と出会い、許されぬ恋に溺れていく物語だ。最終的に2人は、結ばれたまま心中を図るという衝撃的な結末を迎える。
渡辺淳一さんによる原作は300万部を超えるベストセラーとなり、当時の日本に「失楽園ブーム」という社会現象を巻き起こした。
また、1993年にTBS系列で放送されたドラマ『高校教師』も、心中を暗示するラストが描かれた。
本作は女子校に生物教師として赴任した羽村隆夫(真田広之さん)が、心に闇を抱える生徒・二宮繭(桜井幸子さん)と禁断の恋に落ち、複雑な状況に翻弄されながらも純愛を貫こうとする物語である。ラストシーンでは2人が赤い糸で指を結ばれ、列車の中で永遠の眠りについたことが示唆されている。
これらの作品で心中を選んだ恋人たちは、いずれも社会的に許されない関係にあり、行き場を失った2人が下した究極の決断だったといえる。
心中というラストは悲劇的でありながら、そこに一種の純粋さを感じさせる独特の世界観が描かれていたのも事実だ。現実では決して許されない行為だからこそ「禁断の美」として、多くの視聴者の心に刻み込まれたのだろう。
■病さえなければ…過酷な運命と戦った恋人たち
次に紹介するのは、抗えない病によって若くして引き裂かれる恋人たちの物語である。1998年に放送された『神様、もう少しだけ』は、その象徴的な作品だ。
本作は、HIVに感染した女子高生・叶野真生(深田恭子さん)と、カリスマ音楽プロデューサー・石川啓吾(金城武さん)のひたむきな愛を描いたドラマである。
やっと手に入れた幸せの絶頂で、最愛の娘を残し、結婚式場で真生が息を引き取るラストシーンは視聴者の涙を誘った。当時、社会問題でもあったHIVという重いテーマを扱い、感染の恐怖や理解を社会に呼びかけた作品でもある。
そして、「セカチューブーム」を巻き起こした『世界の中心で、愛をさけぶ』も、涙なくしては語れない名作である。片岡恭一さんの小説を原作に、2004年5月に映画化、7月にはドラマ化された。
ドラマ版では、白血病に侵されたヒロイン・廣瀬亜紀を綾瀬はるかさんが、彼女を懸命に支える松本朔太郎を山田孝之さんが演じた。
ラストでは、亜紀が夢見たオーストラリアへ向かう途中、空港で力尽きてしまう。その際に朔太郎が叫んだ「助けてください!」という悲痛な声は、今も多くの人の記憶に残っている。
この2作品は、いずれも「病気さえなければ幸せになれたのに」と思わずにはいられない切ない物語である。しかし、病という抗えない運命を前に、愛する人のために奔走する姿は痛々しくも、誰よりもひたむきだ。
最終的にヒロインは若すぎる死を迎えるが、彼女たちの生きた証は、我々視聴者に何気ない日常生活の尊さを教えてくれるのである。


