「昭和ウルトラマン」生身の一般人に翻弄された「悲しき侵略者たち」 ベムスターをめった刺しした青年、ブラック指令をボコった少年少女も…の画像
DVD「プロジェクト ウルトラセブン」(ジェネオン エンタテインメント) (C)円谷プロ

 1966年放送の『ウルトラQ』から始まった昭和『ウルトラマン』シリーズには、さまざまな怪獣や宇宙人が登場。ウルトラ兄弟たちと激しい戦いを繰り広げ、敗れ去っていった。

 しかし、中には人類の盾となって活躍する科学特捜隊やウルトラ警備隊などの防衛チームによって倒された怪獣や宇宙人もいる。たとえば『ウルトラセブン』に登場したシャプレー星人はウルトラ警備隊との銃撃戦の末に絶命。『ウルトラマン』に登場したゼットンはウルトラマンを倒すほどの強敵だったが、最後は科学特捜隊の新兵器「無重力弾」の前に倒れている。

 さらには、戦いとは無縁なはずの地球の民間人に翻弄された怪獣や宇宙人も……。今回は怪獣や宇宙人たちが、地球の民間人相手にさらしてしまった醜態を振り返っていこう。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■利用した地球人がまさかの行動に!? 学生とともに消滅した「プロテ星人」

 最初にピックアップするのは、1968年放送の『ウルトラセブン』第29話「ひとりぼっちの地球人」に登場した宇宙スパイ「プロテ星人」だ。

 京南大学で開発された科学観測衛星が打ち上げに成功し、大きなニュースとなる。しかしウルトラ警備隊は、この衛星に使われた技術力に不審な点があるとして警戒を強めていた。

 実はこの衛星は京南大学の仁羽教授に化けたプロテ星人が、類いまれな才能を持つ学生の一の宮とともに作り上げたものだった。

 一の宮は自分の研究に注目しない地球人に絶望感を抱いており、仁羽教授が宇宙人と知りながら協力。プロテ星の技術力を借りて電送移動装置も開発していた。

 ただし、プロテ星人の目的はあくまで地球侵略。科学観測衛星と思われていたものは実はスパイ衛星であり、地球防衛軍基地のデータ収集に利用されていたのだ。

 このようにプロテ星人はかなり狡猾で、ウルトラセブンと戦ったときも姿を消したり、分身術を用いて翻弄したりと小ずるい戦法を見せていた。さらに、ウルトラセブンに勝てないと見るや、分身に戦いを任せたまま液体となって逃亡。そのまま宇宙へ脱出するかと思われた。

 しかし、プロテ星人の本当の企みを知った一の宮は、電送移動装置を使って逃亡を図ろうとするプロテ星人とともに装置の中へ。電送移動装置は2体同時に転送できないため、プロテ星人は一の宮とともに消失した。

 スパイとしてはかなり優秀だったプロテ星人だが、地球人である一の宮を最後まで騙しきれなかったのが痛恨の極み。一の宮の扱いさえ間違えなければ、結果は違ったものになったかもしれない。

■ちびっ子3兄弟が巨大怪獣「再生エレキング」相手に大殊勲!?

 続いて紹介するのは、1973年放送の『ウルトラマンタロウ』第28話「怪獣エレキング 満月に吼える!」に登場した月光怪獣「再生エレキング」だ。

 かつてウルトラセブンと激闘を繰り広げたエレキングが月の光を浴びて復活。月光をエネルギーとする再生エレキングはひと暴れしたあと、日の出とともに姿を消す。

 宇宙科学警備隊ZATが再生エレキングの行方を捜索する中、「ターザン」「孫悟空」「猿飛佐助」を名乗る3人の少年たちが洞くつで再生エレキングを発見。その存在をZATには知らせず、エレキングのツノを使って祖父の入れ歯を作ろうと考えていた。

 しかし、次の満月の夜に月光のエネルギーを吸収した再生エレキングが活動を再開。人々は3人の少年を放っておいた祖父の責任だと詰め寄る事態になってしまう。

 責任を感じた少年たちは3人で再生エレキングを倒そうと行動。「生きて再び会おうぜ」と悲壮な決意をもって再生エレキングに挑んでいく。

 ただし、ここからコミカルな展開に。まずは少年のひとりが「側転できないだろう」と挑発。すると、再生エレキングはこの挑発に乗り、側転しようとして転倒。倒れたところで急所のツノに投げ縄をかけられ、そのまま縄を木に結びつけられて身動きがとれなくなってしまう。

 最後は少年が全身を使って放った巨大パチンコで顔面を狙い撃ちされた。もちろん、その程度の攻撃で再生エレキングを倒せるはずもなく、最後はウルトラマンタロウが倒している。

 だが、タロウは少年たちが再生エレキングのツノに引っかけた縄を利用して勝利をおさめており、地球人の少年たちの貢献は大きかった。

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