■タイトルになった主人公機とは思えない「悲惨な扱い」

 テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する「ウイングガンダム」は、その機体名からも分かる通り主人公ヒイロ・ユイが乗る主役機である。5機のガンダムを地球へ降下させる「オペレーション・メテオ」に採用された1機であり、単独で敵戦力を殲滅できるほどの高い性能を持つ。

 そんな強力なガンダムにもかかわらず、劇中での扱いは全シリーズを通しても類を見ないほど不遇な主人公機といわざるを得ない。

 第1話で描かれた初戦では、敵組織「OZ」のゼクス・マーキスが乗るリーオーによっていきなり海に墜落させられ、第4話まで活躍らしい活躍がなかった。

 そして第10話では、守るべきコロニーを人質に取られてしまい、鹵獲による機密漏えいを防ぐためにヒイロの手によって自爆。主役機が物語の途中で自爆して全壊するという展開は珍しい。

 その後ウイングは、本気の決闘を望むゼクス・マーキスによって完全修復されたが、ヒイロは「施しがすぎる」と搭乗を拒否。戦いの舞台が宇宙に移っても、ヒイロは「目立つだけで価値はない」とウイングを宇宙に上げず、海中に放棄した。

 戦いの舞台が再び地球に戻ると、ヒイロはようやくウイングで戦うが、その頃には「ビルゴ」のような最新鋭のモビルドールが大量投入されており、それに対抗するためヒイロは新型機に乗り換えることになる。それにより戦場に乗り捨てられたウイングガンダムは、再び戦場に放置された。

 最終的にウイングガンダムはOZが回収し、世界国家の代表となったトレーズ・クシュリナーダの機体をかばって大破すると、その役目を終えている。

 ヒイロから、とても愛着があるようには見えない扱いを受けてきたウイングガンダムだが、ガンダムを兵器と割り切っている彼の考えを象徴しているようだった。


 今回はシリーズにおいて主役や主力級の「ガンダム」でありながら、不遇にも思える扱いを受けた機体を振り返ってみた。ガンダム好きの皆さんが、もっと活躍が見てみたかったガンダムといえば、何を思い浮かべるだろうか。

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