「リバウンド王」。それは井上雄彦氏の名作バスケットボール漫画『SLAM DUNK』の主人公・桜木花道を象徴する異名だ。
バスケ素人だった彼は、湘北高校主将・赤木剛憲の金言「リバウンドを制する者は試合を制す!!」を胸にその才能を開花させ、驚異的な身体能力と執念で我々読者の魂を揺さぶってきた。
作中には数々の名リバウンドのシーンがあるが、中には対戦相手の度肝を抜き、彼らの計算や戦術さえも凌駕した“規格外”のプレイが存在する。今回は、筆者独自の目線から相手プレイヤーをも困惑させた桜木のベストリバウンドを、ランキング形式で紹介していきたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■【第5位】翔陽戦:花形の度肝を抜き、藤真をコートに引きずり出した一撃
第5位は、インターハイ予選・翔陽高校戦でのリバウンドである。この試合は、桜木が自身の最大の武器であるリバウンドの才能を、公式戦の舞台で本格的に開花させた記念すべき一戦である。
相手は神奈川No.2の強豪・翔陽。スタメンに190cm台の大型選手をそろえる「高さ」のチームだ。しかし桜木は、そんな長身軍団を相手にリバウンドで圧倒。
そして第88話「リバウンド王桜木」では、県内屈指の技巧派センター・花形透の頭上からボールを奪取してみせた。これには花形も「こいつは瞬発力が全然ちがう!!」と驚愕し、冷や汗を流すしかなかった。
このプレイが決定打となり、翔陽ベンチで監督業に専念していたエース兼監督の藤真健司は、自ら交代を宣言しコートに立つことを余儀なくされた。相手の絶対的エースをベンチから引きずり出したという意味でも、桜木のリバウンドが試合の流れを劇的に変えた瞬間だった。
■【第4位】豊玉戦:勝利への執念! 味方である赤木と競り合ったラスト
第4位は、第214話「勝利の執念」より、インターハイ初戦・豊玉高校戦のラストで見せたリバウンドだ。
対戦相手は大阪2位の強豪であり、「ラン&ガン」を信条とするオフェンス特化チーム・豊玉。初出場の湘北は、後半に入っても激しい接戦を演じていた。
試合終盤、安西先生の指示はシンプルだった。“1回でも多く攻撃のチャンスを作り、相手の攻撃のチャンスを減らすこと”。それに加え、先生は「リバウンドを制すれば勝てる!」と明言する。
その言葉に対し、ベンチに座るメンバーの中で桜木だけがピクリと反応しているのが象徴的だ。その教えを忠実に実践した桜木は、豊玉のゴール下を完全に支配し、チームが10点差をつける大きな原動力となる。
そして、試合を決定づけるラストのリバウンドの場面が訪れる。こぼれ球に対し、なんと味方である赤木と桜木が同時に反応。着地してからも「誰にも渡さん!!!」と、味方同士でボールを奪い合うほどの気迫を見せた。まさに勝利への執念を体現したリバウンドだった。
■【第3位】海南戦:帝王・牧も驚愕…「2連続ジャンプ」と直後の悲劇
第3位は、神奈川の王者・海南大附属高校戦のラストシーンでのリバウンドを選出したい。第131話「天国と地獄2」で描かれた試合終盤、スコアは88ー90。残り数秒で三井寿が放った起死回生の3Pシュートが外れた場面だ。
リングに弾かれたボールに、海南ベンチの高頭力監督が「リバウンドおさえろォ!!」と絶叫する。その声に応えるように帝王・牧紳一がジャンプし、ボールに触れた瞬間——桜木がそれを弾いたのである。
驚くべきはその直後だ。宙を舞うボールに対し、着地した桜木が間髪入れずに再度ジャンプ。上体をのけぞらせながらも、執念でボールを奪取してみせたのだ。勝負のかかる最終局面において見せたこの大仕事は、まさに「リバウンド王」として最高の瞬間だったといえる。
だが、その直後に悲劇が待っていた。着地した桜木は、敵のセンター・高砂一馬を味方の赤木だと見間違えてパスを出してしまい、痛恨のミスで試合終了となる。
最高のプレイの直後に訪れた、あまりにも残酷な結末。その落差と悲劇性も含め、記憶に刻まれるベストリバウンド第3位としたい。


