実はバケモノぞろい…!? 『機動戦士ガンダム』アムロ・レイの陰に隠れた「ホワイトベース隊の実力者」たちの画像
DVD『機動戦士ガンダム 第11巻』(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

 1979年に放送されたテレビアニメ『機動戦士ガンダム』は、今も多くのファンから愛されている屈指の名作である。シリーズを重ねるごとに優秀なモビルスーツ(MS)のパイロットが登場し、ファンを魅了してきた。

 その中でも元祖ニュータイプのひとりともいえるアムロ・レイは、突出した実力を持っているパイロットだ。彼の獅子奮迅の戦いぶりはケタ違いで、ホワイトベースの危機を何度も救ってきた。

 しかし、そのアムロの陰に隠れているが、実はホワイトベース隊のほかのパイロットも相当優秀。他の作品であればエース級と呼べるほどの戦果を挙げている。

 そこで今回は、アムロに負けじと、すさまじい活躍を見せていたホワイトベース隊の陰の実力者たちの凄さを振り返ってみたい。

※本記事には作品の内容を含みます。

■攻守でアムロを支えた陰の立役者「カイ・シデン」

 カイ・シデンは避難民としてホワイトベースに乗り込んだ民間人のひとり。当初は、口を開けば皮肉が飛び出す不良少年であり、セイラ・マスから「軟弱者」と非難される場面もあった。

 しかし、ホワイトベースが人員不足だったこともあり、カイはハヤトとともにガンタンクで出撃。第8話「戦場は荒野」からガンキャノンのパイロットとなった。

 このときガンキャノンでの初陣だったにもかかわらず、ジオン軍のマゼラアタックを撃墜するなど活躍。さらには敵MSと交戦中だったガンダムを背後から狙うザクに体当たりをして、アムロを救うファインプレーも見せている。

 また第23話「マチルダ救出作戦」では、アムロのコア・ファイターがドッキングしようとする瞬間をジオン軍のグフに狙われる。このときカイは、ガンキャノンの的確な攻撃によってコア・ファイターを狙うグフを撃退。アムロの窮地を救った。

 このように序盤から非凡な才能を見せていたカイだが、ジオン軍の女スパイであるミハル・ラトキエと出会い、彼女の死を経験してから覚醒する。

 幼い妹弟を養うためにスパイをするしかなかった彼女を死なせたことをカイは激しく後悔し、ジオンを打倒することを決意したのである。

 以降、彼の臆病な面は影を潜め、地球連邦軍の基地ジャブローの防衛戦では、侵攻してきたジオン軍の水陸両用MSゴッグをビームライフルの一撃で仕留めるなど、パイロットとして大きく成長。

 宇宙に上がってからも、正規軍人であるスレッガー・ロウが先走った行動をとったことに対して「早い! 早いよ!」とたしなめるなど、冷静な判断力を見せた。

 ア・バオア・クーを巡る最終決戦では、いつもの自嘲気味の軽口を叩くほどの余裕を見せながら大きな戦果を挙げ、愛機は損傷したものの彼自身はしっかり生還を果たしている。

 一年戦争でエース級の働きを見せながら、戦後はジャーナリストの道を選んだカイ。だが、あのままMSのパイロットを続けていたら、どれほどの戦果を挙げたのかも気になるところだ。

■「伝説の2枚抜き」の印象が強い「セイラ・マス」 アムロに次ぐリーダー的資質も…

 当初はホワイトベースでオペレーターをすることが多かったセイラ・マスは、その頃から戦況を冷静に捉えて決断する能力に長けていた。第23話「マチルダ救出作戦」ではホワイトベースの艦長ブライト・ノアが体調不良で寝込み、操舵手のミライ・ヤシマが指揮を任される。

 不慣れな役割に戸惑い、判断に迷うミライに対し、セイラは独断でMSの出撃を指示。このセイラの判断は正しく、ジオン軍の襲撃を受けていたミデア隊を危ういところで救うことができた。

 また第32話「強行突破作戦」では、アムロの出撃が遅れ、スレッガーやカイが先行するとセイラは冷静に戦況を分析。そして後方から支援することをハヤトに提案する。

 このときスレッガーやカイが苦戦する中、重戦闘機「Gファイター」に乗るセイラは、ビーム・キャノンの射線上にリック・ドムが重なった瞬間を狙って、1撃のビームで2機のドムを撃墜する、いわゆる「2枚抜き」の離れ業を披露した。

 アムロがいない中、仲間の心理状態と敵の状況を冷静に読み取って、チームを活かす動きをとれるのは戦術眼に優れている証拠だろう。

 さらにセイラは、第37話「テキサスの攻防」でもGファイター単独でリック・ドムを3機撃破しており、その戦闘力はアムロに次ぐエースパイロットといえるほどに成長した。 

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