2025年もアニメシーンが大いに盛り上がる一年となった。2025年は、特にアニメ映画作品が大きな結果を残す一年だったように思う。
その筆頭は、全世界興行収入が1000億円を超えた『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』。連日の大行列やリピート鑑賞に足を運ぶ人々、4DX上映でチケットがなかなか取れないことも話題になった。
また、テレビアニメ第1期の続きの物語を描いた『チェンソーマン レゼ篇』も興行収入95億円超えの大ヒットに。新作映画ではないが、10月からは『エヴァンゲリオン』シリーズ30周年を記念して 『月1エヴァ EVANGELION 30th MOVIE Fest.2025-2026』が実施された。さまざまなアニメ作品を観るために、例年より多く映画館に足を運んだという人も多いのではないだろうか。
もちろん盛り上がったのは映画だけではない。2025年は、人気アニメの続編作品や話題のアニメも多く放送され、有名なアーティストが多くの作品主題歌を担当する、名曲揃いの1年となった。
そこで今回は、2025年のアニメ作品を彩ったベストアニソンを振り返ってみよう。
■「ガンダム」「チェンソーマン」「メダリスト」話題作を手掛けた米津玄師
まず、2025年のアニメ主題歌を語る上で外せないのが米津玄師の存在だろう。タイアップ作品への“解像度の高さ”が原作ファンの間でたびたび話題になる米津作品。2025年もそうした楽曲が目だった1年だった。
代表的なのが、前述した劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の主題歌『IRIS OUT』だ。映画で初めて本格的に登場し、印象的な活躍をしたキーパーソン・レゼへの思いを主人公のデンジ目線で描いたかのような歌詞が、米津作品特有の独特な語彙で綴られている。
ちなみに、テレビアニメオープニング曲の『KICKBACK』に続いて、米津が同じアニメシリーズに複数楽曲を提供するのは今回が初となる。米津は、「原作のレゼが写ってるページを四六時中開きっぱなしにして睨みつけながら作りました」とコメントを寄せており、楽曲は映画と合わせて大きな話題となった。
また、羽生結弦がMVに登場し話題となったフィギュアスケートを題材にしたアニメ『メダリスト』のオープニング曲『BOW AND ARROW』も米津の楽曲だ。かねてから原作漫画のファンだったという米津は、「アニメ化するという情報を見かけ、できることなら曲を作らせて頂けないだろうか、と打診した」と、逆オファーをかけたそう。
歌詞に暗喩を用いるなど、作品の世界観を深く解釈した歌詞に透明感のあるメロディは、『メダリスト』の世界観にぴったりだ。
また、その『BOW AND ARROW』と両A面CDシングルである『Plazma』も名曲。これは『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のオープニング曲で、これまでの『ガンダム』シリーズとは一風変わったスタイリッシュな作風にもバッチリハマっていた。
注目作の楽曲を軒並み手がけた米津。まさに2025年は「米津無双」の一年と言えるだろう。


