髙橋ヒロシ氏が『月刊少年チャンピオン』で連載した『クローズ』と、その続編である『WORST』は、90年代から今なお語り継がれる不良漫画の金字塔だ。
最強の不良たちが集まる“カラスの学校”こと鈴蘭男子高校を舞台に、てっぺんを目指す若者たちの拳と魂のぶつかり合いを描いた本作は、実写映画『クローズZERO』シリーズの大ヒットや外伝作品の登場で世界観を広げてきた。2026年1月からの正統続編の連載開始も発表され、今後さらなる盛り上がりを見せそうだ。
そんな人気シリーズについて、ファンの間で必ずといっていいほど議論されるのが、「シリーズ最強は誰か」という永遠のテーマである。
※本記事には作品の内容を含みます
■『クローズ』最強といえばやはり…
まず多数の支持を集めそうなのが『クローズ』の伝説的存在、林田恵――通称リンダマンである。
彼は決して好戦的ではなく、むしろ「手を出されないかぎり動かない」タイプだが、いざ戦えば圧倒的なパワーで相手を沈める怪物。ワンパンKOで決着がつく場面も多く、その揺るぎない強さは誰もが認めるところだ。
何よりもリンダマンの評価を決定づけるのは、主人公・坊屋春道でさえ勝てなかったという事実である。
春道とリンダマンは二度戦っており、一度目は引き分け、二度目はリンダマンの勝利。春道は作中で九能龍信、美藤竜也、木島好一(キーコ)、真弓鉄次といった強者たちに圧勝してきた“最高の男”だが、そんな彼が勝てなかったのはリンダマンただ1人だった。この点だけでも「リンダマン最強」という評価には圧倒的な説得力がある。
もちろん春道も鈴蘭史に残る怪物であることは間違いない。とりわけ、日本最大最強のチーム「萬侍帝国」九頭竜會の頭で“日本不良界最強の男”と呼ばれる九頭神竜男とのタイマンは、作中屈指の激アツバトルだった。
竜男は巨漢かつ怪力の持ち主で日本不良界に君臨する猛者とされていたが、春道は真っ向勝負でこれを退けた。この戦いは春道の強さを象徴するエピソードとなり、作中最強候補の一角としての地位を揺るぎないものにした。


