2008年から2010年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されていた岩代俊明氏による漫画『PSYREN -サイレン-』が、2026年にテレビアニメ化されることが発表された。
『PSYREN -サイレン-』は高校生の主人公・夜科アゲハが行方不明になった同級生・雨宮桜子を探すうちに、命がけのゲームに巻き込まれるところから物語が始まる。謎の世界「サイレン」を巡る戦いが描かれるサスペンス作品だ。
これまでAnimejapanが行った「アニメ化してほしいマンガランキング」に3度もノミネートされるなど根強い人気を誇った本作が、完結から約15年の時を経て、待望のアニメ化となる。
実は『少年ジャンプ』の連載作品には『PSYREN -サイレン-』のように、アニメ化されていないのが不思議なほど当時から人気のある傑作も多い。今回はそれらを振り返りながら、今後のアニメ化に期待したい。
■パチンコも大人気なのに、なぜかアニメ化されていない『花の慶次』
まずは原作・隆慶一郎氏、作画・原哲夫氏による漫画『花の慶次-雲のかなたに-』。同作は1990年から1993年まで『ジャンプ』で連載され、戦国時代の傾奇者・前田慶次を扱った作品だ。
これまで歴史上であまり語られることのなかった戦国武将の前田慶次にフォーカスを当てた同作は、さまざまな脚色が加えられ、この漫画をきっかけに彼のファンになった人も多そうだ。
また連載が終わってからかなりの月日が経過した2007年、ニューギンがパチンコ「CR花の慶次」をリリース。これが爆発的なヒットを記録し、シリーズ化しただけでなくパチスロ台にまでなった。その影響もあって現在でも高い知名度を誇っているが、同作はなぜかいまだにアニメ化されていない。
原作漫画は全18巻が刊行され、しっかりと完結している。前田慶次の破天荒な生き様は多くの読者を魅了し、戦国の世の男たちが繰り広げる熱きドラマをアニメ化してほしいと願う声は多い。
■『ワールドトリガー』を生んだ葦原大介の初連載作品『賢い犬リリエンタール』
続いては2009年から2010年まで連載された葦原大介氏による『賢い犬リリエンタール』。葦原大介氏はアニメ化もされた『ワールドトリガー』で大ヒットを記録した漫画家だが、初連載は『賢い犬リリエンタール』という作品である。
この作品は人間の言葉をしゃべることができる犬・リリエンタールと、彼を弟として迎えた日野兄妹を描いたファンタジー漫画。『ジャンプ』作品の中でも特にシンプルかつ愛らしい絵柄で描かれたリリエンタールに加え、低年齢層の読者を意識していたのか、難しい言葉には欄外に注釈が入っている親切な作品になっている。
兄妹とリリエンタールの絆が深まっていく様子はハートフルで、敵もどこか憎めない人ばかり。ほっこりさせられる要素が詰まっており、何よりリリエンタールの姿を見ていると優しい気持ちにさせられる。
コミックスは全4巻とやや短い物語ながら、もしアニメ化するなら肩肘張らずに見られるゆるいアニメとして幅広い世代から愛されそうだ。


