■世界最強の剣士を目指す者同士の激突!「ゾロVSビスタ」
作中で世界最強の剣士として名実ともに頂点に立つのが、“鷹の目”ことジュラキュール・ミホークだ。並の剣士では目前に立つことすら許されない絶対的な強者だが、そんなミホークに挑む資格を持つ存在として名が挙がるのが、麦わらの一味の剣士「海賊狩りのゾロ」ことロロノア・ゾロと、白ひげ海賊団5番隊隊長の「花剣のビスタ」である。
ゾロは言わずと知れた三刀流の使い手で、鍛え上げた肉体から繰り出される豪剣をはじめ、一刀流や二刀流の技も一級品。一味に最初に加入したこともあって副船長格と見なされることも多く、仲間からの信頼も厚い。
シャボンディ諸島での敗北後は、ルフィを支えるだけの力を得るため、さらにはミホークを超えるためと宣言したうえで、ミホーク自身に剣の教えを乞うほどの覚悟を示した。2年間の修行を経て覇気を使う戦闘スタイルも習得し、その実力は飛躍的に向上している。
一方のビスタは、四皇の一角だった白ひげ海賊団屈指の名剣士として世界的に知られ、弱者の名を覚えないミホークですら彼の名を認識していたほど。マリンフォード頂上戦争では実際にミホークと刃を交え、一時的とはいえ傷ひとつなく渡り合っていた。世界最強の剣士を相手に互角に斬り結んだ事実は、揺るぎない実績である。
長年の経験に裏打ちされた剣技ではビスタに一日の長があるかもしれないが、ゾロの伸び代とポテンシャルは計り知れない。「ワノ国編」では覇王色の覇気を覚醒させ、「エッグヘッド編」ではルフィが苦戦したロブ・ルッチに一撃で深手を与えるなど、その実力は今もなお進化し続けている。
ビスタがすでに世界トップクラスの実力を誇る一方、ゾロもまた全身刃物のMr.1ことダズ・ボーネス、ルナーリア族のキング、さらには四皇カイドウとの戦闘経験まで積み重ね、実際に戦績は目覚ましいものがある。
完成された技のビスタか、無限の成長を秘めたゾロか。両者ともに実績は十分で、想像以上に拮抗した勝負になる可能性も考えられる。ミホークへの挑戦権をかけた名勝負になるのは必至だろう。
■義兄弟の復讐はなるか…「サボVSサカズキ」
最後は、革命軍参謀総長「炎帝」サボと、海軍本部元帥「赤犬」ことサカズキというマッチ。この2人の対決は、単なる実力者同士の戦いという枠を超え、読者が最も見たい因縁のカードのひとつといえるかもしれない。
サボは革命軍No.2として、武装色・見聞色の2種類の覇気と、「竜爪拳」という武術を操る。「ドレスローザ編」では亡き義兄弟ポートガス・D・エースの能力である「メラメラの実」を継承。その後の戦闘力は桁違いで、ドレスローザのコロシアムでは海軍中将をあっという間に戦闘不能にし、海軍大将・“藤虎”イッショウとも互角に渡り合うほどの実力を見せた。
対するサカズキは、海軍大将から現在は元帥に昇格。名実ともに海軍の頂点に君臨する男だ。自然(ロギア)系悪魔の実「マグマグの実」の能力者で、その攻撃力は悪魔の実の中でも最上位に位置するとされる。
両者の因縁はマリンフォード頂上戦争まで遡る。サカズキはエースの命を奪った張本人であり、義兄弟であるルフィとサボにとっては仇だ。メラメラの実の能力をサボが受け継いだ今、もっともファンが見たいであろうカードになるのも自然な流れだろう。
能力的には、サカズキのマグマは炎の上位互換にあたるという明確な優劣があり、同じ大将だった“青キジ”クザンとの決闘にも勝利して元帥の座を手にした実績がある。エースとの戦闘時は、メラメラの実の上位互換とされたマグマグの実だが、サボは覇気を纏った竜爪拳などの攻撃手段も持つ。
そして何より、サボには兄弟の仇を討つという強い動機があり、サカズキのマグマすら凌駕する力を発揮する可能性も十分にありうるだろう。物語の最終局面において、革命軍と海軍による最終決戦が勃発したあかつきには、この因縁の対決が実現するかもしれない。
『ONE PIECE』には、読者が実現してほしいと願う夢のマッチアップが数多く存在する。今回紹介したカードは、単なる強者同士の戦いではなく、それぞれの立場や特徴まで加味した興味深い組み合わせである。
もちろん、ファンが期待するマッチアップはこれだけではないはず。たとえば、「シャンクスVSミホーク」のライバル対決、「ガープVSドラゴン」の親子対決など、因縁のありそうな組み合わせに期待する人もいるはず。
物語が最終章に突入した今、こういった戦いが実現する可能性があるのか、今後の展開からますます目が離せない。


