【実写化作品「美しき化け物キャラ」4】「橋本マナミ」不気味さと色香を完璧再現!艶やかなる「恐怖の和服美女」の画像
橋本マナミ (写真/ふたまん+)

 漫画やアニメの世界には、ときに美しさと恐ろしさが同居した女性キャラクターが登場し、その独特の存在感で読者を惹きつけてきた。実写化となると、キャラたちの大胆なビジュアルや人間離れした雰囲気などを再現するのは簡単ではなく、原作のイメージを損なわずに表現することが大きな課題となる。

 そんなハードルの高い役柄に挑み、原作キャラの異形の美を損なうどころか、新たな魅力まで引き出してみせた女優たちもいる。それは作品の世界観への理解や丁寧な役作りによって成せるもので、中には、原作ファンをも驚かせる表現を生み出したケースも少なくない

 そこでここでは、“化け物キャラ”を演じた女優たちを数回にわたって振り返ってみよう。

(第4回/全5回)

■顔の半分が骨になっても美しい…『地獄少女』の橋本マナミさん

 『地獄少女』は、2005年から2017年にかけて4期にわたり放送されたテレビアニメだ。強い恨みを抱く者だけが深夜0時にアクセスできる謎のサイト「地獄通信」。そこに名前を書き込むと地獄少女・閻魔あいが現れ、彼女に仕える妖怪「三藁」とともに相手を地獄へと送ってくれるという。ただし依頼者には、“死後に地獄で永遠に苦しむ”という重い代償がかせられる。

 そんなダークでミステリアスな世界観がヒットし、『地獄少女』はコアなファンに支持され続ける作品となった。2019年には、時を経てついに待望の実写映画化が実現。メガホンを取ったのは、カルト的な支持を集める『ノロイ』や、2025年に話題をさらった『近畿地方のある場所について』を手掛けた白石晃士監督である。

 主人公・閻魔あいを演じたのは玉城ティナさん。そして、その隣で妖艶な存在感を放ったのが、「三藁」の一人・骨女を演じた橋本マナミさんである。

 伝承にもあるように骨女は着物を着た骸骨の妖怪で、男性をたぶらかす時は美しい女性に見えると言われている。アニメ『地獄少女』に登場する骨女も同様に、普段は着物を粋に着こなす美女だ。

 橋本さんは、そんな骨女を美しく恐ろしく体現して見せた。橋本さんと言えばもとより大人の色気が漂う美女というイメージが強いこともあり、妖艶な姿で男性を翻弄する骨女とは親和性が高い。

 妖怪姿の際には、顔面には半分骨をむき出したような特殊メイクを施し骸骨らしさを強調。本人は「ここまでの特殊メイクは初めてだったので気合が入った」と語っていたが、目が黒く窪み歯が露出するという化け物メイクにも関わらず、色っぽいということに驚く。この色気も、原作の骨女との共通点であるだろう。

 また、骨女はセリフが少ない役柄なため、橋本さんは佇まいや首の動きで不穏な雰囲気を出すように意識したのだとか。確かに、しなやかな体の動き一つ一つから妖怪らしさやそこはかとない不気味さが漂っていた。

 そして印象的なのが、ラブシーンにまつわる裏話だ。作中では、人間に姿を変えた骨女が男性と接近する場面があるのだが、実はこの撮影時、かなり濃厚なキスをしたのだそう。ところが本編では刺激的なこのシーンがまさかの全カット。橋本さん自身も気合を入れて挑んでいただけに、スクリーンでお披露目できなかったのはなんとも残念である。

 舞台挨拶でこの件を振り返った橋本さんが「頑張ったけど全部カットされていた」とこぼすと、監督は「ぜひ特典映像で」と笑いを誘っていた。さらに、物語に絡む歌のオーディションシーンのためにボイトレをつけて歌の練習までしたにもかかわらず、こちらもまさかの全カット。こうした裏話を聞くと、努力がすべて表に出るわけではないものの、役者たちの積み重ねのおかげであの独特の世界観が成立しているのだと実感する。

 原作キャラのイメージが強烈な骨女だが、橋本さんは妖艶さと恐ろしさを同時に放つ再現度で濃いキャラクターを実写の世界に落とし込んだ。特殊メイクや繊細な所作はもちろん、さらに放送されなかった見えない努力の積み重ねが、そのリアリティに深みを与えている。

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