【実写化作品「美しき化け物キャラ」2】「松雪泰子」妖艶衣装で魅せた圧巻スタイル!原作ファン納得の超再現度の画像
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 漫画やアニメの世界には、ときに美しさと恐ろしさが同居した女性キャラクターが登場し、その独特の存在感で読者を惹きつけてきた。実写化となると、キャラたちの大胆なビジュアルや人間離れした雰囲気などを再現するのは簡単ではなく、原作のイメージを損なわずに表現することが大きな課題となる。

 そんなハードルの高い役柄に挑み、原作キャラの異形の美を損なうどころか、新たな魅力まで引き出してみせた女優たちもいる。それは作品の世界観への理解や丁寧な役作りによって成せるもので、中には、原作ファンをも驚かせる表現を生み出したケースも少なくない

 そこで、“化け物キャラ”を演じた女優たちを数回にわたって振り返ってみよう。

(第2回/全5回)

■色っぽすぎるの声続出!妖艶な魅力が爆発した『鋼の錬金術師』の松雪泰子さん

 漫画やアニメの女性の化け物キャラは、コスチュームが奇抜だったり露出が激しかったりと、実写では再現が難しいデザインも多い。ゆえに実写化で演じる女優にとっては、これまでにない挑戦になるケースも少なくない。

 そんな中、2017年公開の実写映画『鋼の錬金術師』で“色欲のラスト”を演じた松雪泰子さんは、難役ながら高い完成度で視聴者を魅了し、公開当時大きな話題をさらった。

 イタリアロケをはじめ、原作の世界観やキャラクターの個性を出来る限り忠実に落とし込もうとする制作陣のこだわりが詰まった本作。CGと実写を融合させた迫力あるアクションが大きな見どころとなり、加えてキャスティングへの期待も高かったため、主人公エドワード・エルリック役の山田涼介さんをはじめとする俳優陣には公開前から大きな注目が寄せられていた。 

 そして、キャスティング発表時から特に話題を呼んだのが、松雪泰子さんによるラストだ。ラストは、“お父様”に作り出された7人の人造人間ホムンクルスの一人で、原作でも圧倒的な妖艶さと残酷さを併せ持つ存在として人気の高いキャラクターである。

 自身の爪を武器にした“最強の矛”で相手を追い詰める高い戦闘能力の持ち主であり、冷静沈着な性格と統率力で一味を支える強い女性だ。さらに黒いウェーブヘアに切れ長の目、豊満な胸元を際立たせるタイトなドレスというビジュアルは、まさに色欲の名にふさわしい妖艶さである。

 元々クールな雰囲気と大人の色気を兼ね備えている松雪さんは、その存在感だけでもラストの雰囲気に通じるものがあった。しかし松雪さんはさらに原作のラストへ近づくため、徹底した役作りに挑んだという。

  敵役でありながら強烈な印象を残すラストの魅力を表現するため、表情や視線の使い方を細部まで研究。さらに肉感的な体型を再現すべく、上半身を中心に5キロの増量を行い自身の体そのものを役に寄せていった。

 その努力の成果として、松雪さんのボディラインを際立たせる衣装は見事に映え、ただ立っているだけで視線を奪われるほどの存在感と色気を放っていた。

 このキャスティングには、原作ファンからも「松雪さんのラストはハマってる」といった声が多く寄せられ、曽利文彦監督も「あの華奢な体からあそこまで作り上げたのは本当にすごい」と称賛のコメントを送っていた。

 さらに松雪さんは、体作り以外でも人造人間らしい無機質さを表現するための工夫を重ねたと語っている。声の出し方やわずかな体の動き、そして存在していないかのように感じさせるための気配の消し方に至るまで監督と綿密にプランニングし、何度もテイクを重ねて役を磨き上げていったそうだ。こうした丁寧なこだわりの積み重ねがあったからこそ、あの再現度の高いラストが生まれたのだろう。

 松雪泰子さんのラストは、原作を徹底的に読み込み、キャラへの深い理解と丁寧な役作りが生んだ圧巻の再現度だった。外見作りから無機質な存在感の表現まで、細部までこだわり抜いた姿勢が、原作ファンも「これぞラストだ」と思える存在感の強さに繋がっている。

 出演の決め手になったという、原作ファンの息子さんの「絶対やって」という一言にも、思わず拍手を送りたくなってしまう。

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