■気軽に推しは作っちゃダメ!? 異色のデスゲーム『死亡遊戯で飯を食う。』
最後に紹介するのは、鵜飼有志さんによる同名のライトノベルを原作とした『死亡遊戯で飯を食う。』。「このライトノベルがすごい!2024」の新作部門1位に輝いた話題作で、満を持してのアニメ化発表に、放送開始前から大きな注目を集めている。
物語の主人公は、“殺人ゲームのプロフェッショナル”として命がけのゲームで賞金を稼ぐ17歳の少女・幽鬼(ユウキ)。デスゲームで日銭を稼ぎながら99連勝の記録達成を目指しており、彼女を中心としたサバイバルストーリーが展開される。
原作第1話では、幽鬼を含む6人の少女たちが謎の洋館で目覚め、罠だらけの“死の館(ゴーストハウス)”からの脱出ゲームに挑む物語が描かれている。
本作は、デスゲームというテーマながら、必要以上のパニック描写や、同系統の作品でありがちなドロドロとした人間関係がメインで描かれているわけではない。物語は「デスゲーム常連」である幽鬼の視点で描かれるため、死と隣り合わせの状況でも、常人離れした彼女の冷静さゆえに、淡々とゲームが攻略されていくのが特徴でもある。
アニメ化発表の報に対し、原作ファンからは「本当に大好きな作品だからうれしい」「マジで待ってた」という声が上がる。その一方で、「ぜひ推しを作らないことをお勧めします」「アニメ勢の反応が今から楽しみ」と、その作風ゆえに新規ファンを懸念する声も多く挙がった。
公開されたPVでは、原作独特のダークな雰囲気を忠実に再現した緻密な映像美が披露され、美しい背景美術やメルヘンな雰囲気、主人公・幽鬼役に抜擢された声優・三浦千幸さんの声も作風にマッチ。期待は日に日に増している状態だ。
重いテーマとスリリングな描写を兼ね備えた本作は、「ただのデスゲームもの」にとどまらない異色のエンターテインメント作品。ヒロイン・幽鬼が、いかれた世界でどのように生き抜くのか、放送開始を心待ちにしたい。
いずれも原作ファンのみならず、多くのアニメ視聴者から「覇権アニメ候補では?」と期待されている要注目作が並ぶ冬アニメ。物語のジャンルやテイストは異なるが、それぞれ際立った魅力と話題性を備えている。気になる作品があれば、放送開始前にぜひチェックしてほしい。


