『葬送のフリーレン』アニメ第2期、ファンが期待する「黄金郷編」の重要キーワードは「最強の七崩賢」「無名の大魔族」、そして「デンケン」!?の画像
アニメ『葬送のフリーレン』第2期ティザービジュアル (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

 2026年冬アニメの注目作の1つ『葬送のフリーレン』。2023年から2024年にかけて放送された第1期は、ていねいな心理描写と旅の時間を積み重ねる構成が高く評価された。

 2026年1月16日から放送される待望の第2期では、原作で絶大な人気を誇る「黄金郷編」が描かれると見られ、放送を前に原作を読み返すファンも多いだろう。

 そこで今回はアニメ第2期放送前に、黄金郷編で押さえておきたい重要なキーワード「最強の七崩賢」「無名の大魔族」「デンケン」について解説していく。

 

※本記事には『葬送のフリーレン』黄金郷編(未アニメ化エピソード)の一部内容を含みます。

■物語の舞台は“黄金化した都市”

 物語は、北を目指すフリーレン一行がとある依頼を受け、“黄金化した都市・ヴァイゼ”に向かうところから大きく動き始める。都市が丸ごと黄金の塊と化した異常事態の裏には、長らく封印されてきた大魔族・マハトの存在があった。

 マハトは魔王直属の「七崩賢」の中でも屈指の実力を誇り、「最強の七崩賢」とも評される。そんな彼の「万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)」は、ありとあらゆるものを黄金へ変える強力な“呪い”で、防御も解除も不可能。かつてフリーレンが敗北した相手であることも明かされ、物語の緊張感は一気に高まる。

 フリーレンはマハトの本質を理解するため、その膨大な記憶の解析を行い、そこで魔族という存在の核心に迫る異質な心理を見る。マハトは“人間を知りたい”という欲求から想像を絶する“実験”を繰り返し、悪意や罪悪感といった感情を理解しようとしていた。しかし、そもそも魔族にはその概念が存在しないため、彼の探求心は決して満たされることがない……。

 もうひとりの重要キャラクターが、マハトと同じく人間に興味を持ちながらも、その探求心から残虐な行為を繰り返す「無名の大魔族」ソリテールである。強さがマハトと同格にもかかわらず人間側には名を知られていない存在であり、それは対峙した相手を皆殺しにしてきた証拠だ。

 人間の未来を守ろうとするフリーレン、欠落した感情を追い求めるマハト、そして研究対象として人間を殺戮するソリテール。この三者の思惑が1つの都市で衝突することで、物語に重層的な緊張感が生まれることになる。

 さらに、都市ヴァイゼの管理者として登場するのが、一級魔法使い試験編でも活躍したデンケンである。彼の目的はマハトを倒すことそのものではなく、亡き妻が眠る故郷を取り戻すため、解除不可能とされた魔法「ディーアゴルゼ」を解き明かすことだ。

 この「デンケン」が黄金郷編のキーワードとなる理由は、その過去があまりに残酷で皮肉に満ちているからだ。彼とマハトとの間に存在する奇妙な絆と因縁、そしてそれらが行きつく先は、黄金郷編最大の見どころといえるだろう。その中でデンケンが見せる“最後まで醜く足掻く”生き様は、読者の心を強く打ち、彼を“主人公”の1人として際立たせていく。

 

 「最強の七崩賢」マハト、「無名の大魔族」ソリテール、そして老練な魔法使い「デンケン」――彼らとフリーレンたちの思惑が交錯する黄金郷編は、シリーズ屈指の重厚な物語である。壮大な人間ドラマが繰り広げられるこのエピソードが、アニメでどのように表現されるのか期待が高まる。

  1. 1
  2. 2