“ないアルの修羅”に“でかいババア”も…まるでコント!?『北斗の拳』ケンシロウから真顔でツッコミを入れられて散った「哀れなザコ」の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳 究極版』第1巻(徳間書店)(C)武論尊・原哲夫

 原作・武論尊氏、作画・原哲夫氏による不朽の名作『北斗の拳』には、主人公のケンシロウをはじめとした多くの魅力的なキャラクターが登場する。そんななかでも意外な人気を誇るのが、物語を彩る名もなき「ザコ」たちだ。

 ザコの多くは村人たちを虐げ、ケンシロウの逆鱗に触れて倒されるのが定番である。しかし、中には余計なひと言が原因でケンシロウに痛烈にツッコまれたあげく、まるでコントのように散っていくザコもいた。

 ここでは、そんなケンシロウとのコミカルな(?)やり取りの果てに散った、哀れなザコたちを振り返りたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■そんなに痛いならお前が試せ…串刺しになったザコ

 「死兆星マミヤの頭上に!の巻」に登場するザコは、ケンシロウにツッコまれた末に一蹴され、悲惨な最期を迎えている。

 ここでは南斗六聖拳のレイがラオウに秘孔を突かれたことで余命わずかとなり、女戦士マミヤがレイのための薬を求めてメディスンシティーへ向かう。しかし、そこでラオウの手下に捕まったマミヤは死刑台に立たされるのだった。

 尖った刃の死刑台のレバーを握るザコは「へへへ みろ これを痛そうだろう~~!!」「おれはいい女が悶え死ぬのが一番好きなんだ!!」「イ~~ヒャハハハハ~~ッ!!」と大喜び。

 すると、そこへ現れたケンシロウが「そんなに痛いんならおまえが試してみろ」とツッコミを入れ、ザコを蹴り飛ばして死刑台に突き刺すのだ。その後、全身串刺しになったザコは「ほ…ほんろにいれえ~(ほんとにいてえ〜)」と、オチのような断末魔をあげるのだった。

 この一連のやり取りは、まるで「押すなよ!」でおなじみのダチョウ倶楽部のコントを彷彿とさせる。マミヤをいたぶろうとしたザコは、ケンシロウの“フリ”に応えるかのように、熱湯風呂のような死刑台へと沈んでいったのである。

■「あるのかないのかどっちなんだ」ケンシロウを苛立たせたザコ

 「はるかなる呼び声!の巻」に登場する修羅の国のザコは、独特のセリフでケンシロウを苛立たせた。

 連れ去られたリンを救うべく修羅の国へ来たケンシロウは、そこにいたヒゲの生えたザコに、「羅将ハンの居城はどこだ!?」と尋ねる。「しっ知らないアルよ!!」と答えるザコに対し、ケンシロウは「あるのかないのかどっちなんだ」と、冷静にツッコミを入れる。

 それでもザコは「知らないアルヨ~」と繰り返すと、業を煮やしたケンシロウは「どっちなんだ あるのかないのか」と、再度問う。結局、追い詰められたザコは「ないないあるよ」「アイヤ〜〜ないあるないあるないあるない〜〜」と叫びながら、北斗神拳によって爆発するのだった。

 皮肉なことに、ケンシロウはその直後に自力で居城を発見する。自分で見つけられたのなら、あのザコは死ぬ必要もなかったのでは……と思ってしまった。結果的に独特なしゃべり方が原因で殺されてしまった、ある意味ちょっと不憫なザコでもあった。

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