1979年にテレビアニメ『機動戦士ガンダム』が放送されて以降、関連作品が作られ続けているガンダムシリーズ。アニメだけでなくコミックやゲームなどにも、本編のスピンオフ作品がたくさん存在している。
中にはアニメ本編の「その後」を描いたものもあって、作中で残存したガンダム機体の行方が判明したものもあった。
そこで今回はアニメ本編の最終回のあとも、実は改修されて運用され続けたガンダム機体たちを紹介。どのような経緯をたどり、再登場を果たしたのかを振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■アムロの手には渡らなかったけど…時を経て、奇跡の復活
小説および配信アニメ作品として知られる『機動戦士ガンダム Twilight AXIS(トワイライトアクシズ)』には、人気OVAに登場したガンダムの「その後」の活躍が描かれている。
そのガンダムとは、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場した「ガンダムNT-1」、通称“アレックス"である。
テストパイロットのクリスチーナ・マッケンジーが乗ったアレックスは、バーナード・ワイズマンが搭乗するザクII改と交戦。激闘の末にバーニィのザクを撃破するが、アレックスも大きな損傷を受けた。
『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』によれば、そのアレックスは修理目的でルナツーに搬入されたが、終戦したことで長年放置され、のちにオーガスタ研究所に運ばれたという。
そこでアレックスは改修され「ガンダムAN-01 トリスタン」へと名前を変える。のちに「ブッホ・コンツェルン」へと成長するロナ家運営のジャンク回収業者「ブッホ・ジャンク社」の私設部隊「バーナムの森」によって運用された。
そのような複雑な経緯をたどったため、パーツの多くは新造され、特徴的な腕部ガトリング以外、アレックスの面影はほとんど残っていない。
劇中、トリスタンは地球連邦軍の特殊部隊が駆る「ザクIII改」と戦闘になり、さすがに時代遅れの機体のためかパワー負けしているような描写が見られた。
そしてトリスタンは「クレヴェナール」と呼ばれる巨大なアームドベースのコアユニットとして運用される。そのコンセプトはまるで「ガンダム試作3号機 デンドロビウム」を連想させ、真紅のモビルアーマー「アハヴァ・アジール」と激闘を繰り広げた。
■複数のテレビアニメ作品を経て、さらなる活躍も…
テレビアニメ『機動戦士Zガンダム』の前半の主人公機として活躍した「ガンダムMk-II」は、続編アニメ『機動戦士ガンダムZZ』においても修復されて戦い続けている。
この時代になると正直型落ち感は否めなかったが、サポートメカ「メガライダー」との連携もあって、ZZガンダムを主軸とするガンダムチームの一員として奮戦した。
最終的にアクシズで敵の巨大MS「クィン・マンサ」の攻撃を受けたガンダムMk-IIは中破、その場に乗り捨てられたまま物語は幕を閉じている。
しかし、外伝小説およびコミック『機動戦士ガンダムUC episode EX2 獅子の帰還』(角川コミックス・エース)にて、ガンダムMk-IIはまさかの再登場を果たす。
作中では巨大宇宙船「メガラニカ」の所属となり、ミネバ・ザビを護衛するためにバナージ・リンクスが搭乗していた。
ゲーム『ガンダムバトルオペレーション2』(バンダイナムコ)の本機の解説文によれば、「アクシズに投棄された後、ジオン共和国へ移され、停留していたメガラニカ内で総合能力の大幅改修がされた。右腕はビーム・マグナム運用のため、ドーベン・ウルフの右腕部を添え木したように特殊な補強がされている」とのこと。
『Zガンダム』の時代から考えると、劇中で10年近くも運用されている長寿機体ということになる。


