『NARUTO』千手綱手に『BLEACH』涅マユリ、『僕のヒーローアカデミア』リカバリーガールも…バトル漫画で重宝した「反則級のチート治癒能力」の画像
DVD『BLEACH』破面・VS.死神篇 3(アニプレックス)(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ 劇場版BLEACH製作委員会2008

 激しい戦いによってキャラクターたちが負傷するシーンは、バトル漫画においては避けられない展開だ。だからこそ、仲間たちの傷を癒す「治癒能力」を持ったキャラクターは、物語に欠かすことのできない重要な存在となっている。

 その能力は単なる回復にとどまらず、時には大きなリスクと引き換えに戦局を覆し、仲間の窮地を救う切り札になるケースもある。

 発動条件や効果、そして伴うリスクもさまざまな治癒能力。今回は、戦局を一気にひっくり返すような反則級の「チート治癒能力」の数々を見ていこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■使うと老婆に…!? 『NARUTO ーナルトー』千手綱手

 多彩な能力を持つ忍たちが激突し、ド迫力のバトルを繰り広げる『NARUTOーナルトー』(岸本斉史氏)。本作には、相手を傷つけるのみならず、負傷した肉体を回復させる医療忍術も数多く登場する。

 その最高峰に立つのが、伝説の三忍の一人であり、後に五代目火影となる千手綱手だ。

 医療忍術のスペシャリストでもある彼女は、作中でさまざまな治癒シーンを披露している。なかでも物語終盤で登場した忍法「創造再生」は、その驚異の治癒能力で読者を驚かせた。

 これは「百豪の術」により長年にわたって額に蓄積し続けた大量のチャクラを開放し、細胞分裂を強制的に活性化させることで肉体の再生速度を高める奥義だ。いわば自然治癒力の高速化であり、肉体が負ったあらゆる傷を一気に治癒することができる。

 非常に強力な治癒能力だが、それに伴うリスクも非常に大きい。生涯の細胞分裂の回数には限りがあるため、術の使用は自らの寿命を縮めることになってしまうのだ。

 実際、第四次忍界大戦でこの術を使用した綱手は、傷が癒えた代わりに、深いしわが刻まれた老婆の姿へと変化した。無論、こうなると戦闘能力も激減するため、まさに勝負をかけた大一番の時に使う起死回生の奥の手と言えるだろう。

 これぞ数多の術を極めてきた綱手だからこそ使いこなせる、究極の医療忍術だ。

■治癒能力は凄いが何をしたのかは謎のまま…『BLEACH』涅マユリ

 死神の力に目覚めた少年・黒崎一護が「虚(ホロウ)」と呼ばれる悪霊をはじめとした強敵を相手に、スタイリッシュな剣戟バトルを繰り広げる『BLEACH』(久保帯人氏)。

 物語には個性豊かな能力を持つキャラクターたちが登場するのだが、なかでもかなり意味深な治癒シーンを見せつけたのが、護廷十三隊・十二番隊隊長の涅マユリだ。

 彼は黒い化粧と仮面をつけたなんとも奇抜な見た目をしており、探求のためなら手段を選ばないマッドサイエンティストでもある。

 そんな彼が驚異の治癒術を見せつけたのが、破面(アランカル)・十刃(エスパーダ)のメンバーであるザエルアポロ・グランツとの一戦。

 自身の能力で生み出した毒で勝利をおさめるマユリだったが、この戦いにより、彼が作り出した人造死神である娘・涅ネムが再起不能に陥ってしまう。干からびた状態のネムに対し、マユリは治癒を開始するが、その具体的な方法は一切描写されない。

 だが意味深な擬音、どこか艶やかな声を上げるネム、そしてその光景を頬を赤らめながら見ている石田雨竜と阿散井恋次……。これらの演出は、何やらかなり官能的な行為を示唆するものであった。

 次の瞬間、ネムは完全に修復されていたが、結局、治療方法は一切謎に包まれたまま。

 マユリのマッドサイエンティストとしての技術によるものか、それとも……? 読者の想像を掻き立てる、実に意味深な治療シーンだった。

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