■原作へのリスペクトが光る声優の熱演とオリジナル演出
続いての神演出は、原作漫画を完璧に再現した超長時間のラッシュシーンだ。
たとえば、原作第3部で、承太郎がスティーリー・ダン戦で放った、3ページ半にわたる52回の「オラオラ」ラッシュ。そして第5部でジョルノがチョコラータを打ちのめした7ページ半にわたる122連発の「無駄無駄」ラッシュ。これら長尺のシーンのどちらもが、アニメでは担当声優の演技によって完璧に再現されている。
特に、ジョルノのラッシュは、アニメでは約30秒にも及ぶ圧巻のシーンとなっていた。この回のエンドクレジットには「無駄無駄原画」として、6人のスタッフが通常のクレジットとは別に名を連ねている。ここからも、制作陣の並々ならぬ力の入れ方がうかがえるだろう。
ちなみにアニメでは、花京院典明に化けたラバーソールがチェリーを舌の上で転がす「レロレロ」という奇妙なセリフの完全再現も大きな話題となった。これは「アニメ流行語大賞2014」で金賞を受賞するほどのインパクトを残した。
このように『ジョジョ』アニメシリーズは原作をリスペクトした再現度の高さが魅力だが、たびたび挿入される秀逸なアニメオリジナルシーンも見逃せない。
第5部では、原作では描かれなかったブチャラティチームと戦う暗殺チームの日常がアニメオリジナルシーンとして追加された。これにより、組織として戦う彼らの人間性や絆などが掘り下げられ、キャラクターの“解像度”が上がるかのようだった。
またファンの間でも特に評価が高いのが、ナランチャ・ギルガの死亡回だ。原作では比較的あっさりと描かれていたものの、アニメで加えられた演出は感動的だった。
死を迎えたナランチャを悼んで仲間が悲しむ中、シーンは途中でチームを離脱した現在のパンナコッタ・フーゴの現在の姿へと切り替わる。そして、そこをナランチャのスタンド「エアロスミス」の影のようなものが横切る。
その後、影はレオーネ・アバッキオが命を落としたサルディニア島を通過し、雲の中へと高く高く昇っていく。仲間と歩んできた彼の生き様を尊重するかのようなこの演出には、涙が止まらなかった。
これまで、原作ファンの期待以上のクオリティで映像化されてきたアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ。「スティール・ボール・ラン」がアニメでどのように描かれるのか、期待は高まるばかりだ。


