■「愛と根性」を象徴する炎のモビルスーツ乗り
テレビアニメ『機動新世紀ガンダムX』の主人公「ガロード・ラン」は、モビルスーツ乗りとして生計を立てる少年。ニュータイプの少女ティファ・アディールに出会って一目惚れし、彼女を守るためにガロードは戦った。
ガロードはニュータイプではないが、優れた操縦センスの持ち主。若さゆえに周りと衝突することも多かったが、ティファを守りたいという強い思いから、戦いの中で人間としてもパイロットとしても大きく成長していった。
人工ニュータイプであるカリス・ノーティラスが乗る「ベルティゴ」のオールレンジ攻撃の前に初戦は惨敗を喫したが、持ち前のバイタリティと過酷な訓練によって、オールドタイプながら高速で動くビットを撃墜できるまでになる。
かつては卓越したニュータイプのエースパイロットだったジャミル・ニートの指導を受け、彼もガロードのことを「操縦センスは桁外れに高く、特に順応性に関しては天才的な勘を発揮する」と高く評価した。
またガロードは、ガンダムダブルエックスのツインサテライトキャノンによって、衛星軌道上のコロニーレーザーを超遠距離から狙撃するという離れ業を見せたこともあり、その狙撃距離はガンダム史上最長ともいわれている。
ガロードの強さは「愛するものを守るため」に発揮される。ときた洸一氏のコミック『機動新世紀ガンダムX Re:Master Edition』(角川コミックス・エース)にて物語の鍵を握るファーストニュータイプ「D.O.M.E」は、ガロードについて「ニュータイプを超えたオールドタイプなのかもしれない」と評価していた。
■宇宙世紀ガンダム主人公の中でも屈指の撃墜王!?
スーパーファミコン用ゲームソフト『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』(バンダイ)の主人公「ベルフ・スクレット」は反地球連邦組織討伐部隊に所属。宇宙世紀0122年にジオンの残党軍「オールズモビル」と戦った。
ベルフはもともと平凡なパイロットだったが、「ガンダムF90」に乗るうちにパイロットとしての才能を開花。のちに「F91」にも乗り、ゲーム内で無数の敵機を単騎で撃墜していくことから「最強のオールドタイプ」「一年戦争の撃墜王テネス・A・ユングの再来」などと呼ばれた。
それはゲーム上の話だけかと思いきや、今ノ夜きよし氏によるコミック『機動戦士ガンダムF90FF』(角川コミックス・エース)にてベルフの活躍が漫画化された。
ベルフの活躍は回想シーンとして描かれ、具体的な撃墜数までは定かではないが、F90の豊富な武装換装システム「ミッションパック」を見事に使いこなす。まさに無双といえる活躍シーンは、「最強のオールドタイプ」の異名に恥じないものだった。
アムロやカミーユのような桁外れのニュータイプたちに比べると、オールドタイプのパイロットには地味な印象も受けるが、作品ごとに負けず劣らずの強さが描かれている。特別な力がないかわりに技量の高さがうかがえ、そういう主人公が活躍する作品には独特の魅力がある。
皆さんは、ガンダム主人公を含めた「オールドタイプ最強パイロット」といえば、誰の顔を思い浮かべるだろうか。


