歴代ガンダム「史上最強」のオールドタイプ主人公は誰か コウ・ウラキの「急成長」にガロード・ランの「神業」も…ニュータイプにも匹敵する才能!?  の画像
DVD版「機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY vol.4」(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

 長い歴史をもつガンダムシリーズにおいて、主人公キャラの大半はニュータイプ、もしくはそれに類する特別な能力を持ち、一般的なパイロットとは一線を画す強さを見せてきた。

 そんな「人類の革新」を意味するニュータイプとは対照的に、特殊な能力を持たないパイロットのことを「オールドタイプ」と呼ぶことがある。

 だが、オールドタイプがパイロットとしてニュータイプに劣るのかといえばそんなことはなく、たとえば『機動戦士Zガンダム』や『機動戦士ガンダムZZ』に登場したヤザン・ゲーブルのような、並み居るニュータイプたちを追い詰めるほどの技量を示したオールドタイプも存在した。

 そして、これはガンダム作品の主人公たちにも当てはまる。そこで今回は、ニュータイプのような特殊な技能を持たないガンダム作品の主人公たちに注目。劇中の描写や戦果などから、「史上最強のオールドタイプ主人公」を探ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■新米テストパイロットから歴戦のエースへ…

 OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の主人公「コウ・ウラキ」は、地球連邦軍の士官学校卒のエリートではあるものの、物語スタート時は配属されたばかりの新米テストパイロットだった。

 コウはモビルスーツへの深い知識を持ち、『週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル 9号』(デアゴスティーニ・ジャパン)によれば、瞬間判断能力や洞察力、未来予測に優れていたとされるが、劇中にニュータイプらしき描写は存在せず、オールドタイプの主人公と思われる。

 そんなコウは、ソロモンの悪夢と称される元ジオン軍のエースパイロット「アナベル・ガトー」に遭遇。ガンダム試作2号機強奪事件の際に戦ったガトーから、「戦う意味さえ解せぬ男」という散々な評価を受けた。

 しかし、その後はコウは上官のサウス・バニングや、元ジオン兵のケリィ・レズナーといった歴戦の男たちに影響と刺激を受けながら、急速に成長を遂げていく。

 そしてソロモン宙域にてコウはガトーと再激突。ガトーの乗るガンダム試作2号機は左腕の動作不良というハンデがあったものの両機は相打ちになり、コウは初戦での汚名をそそぐ。このときガトーもコウについて「二度と忘れぬ」というセリフで、彼の成長を暗に認めた。

 さらに最終決戦でコウは、ガンダム試作3号機「デンドロビウム」に乗り、ガトーが乗るモビルアーマー・ノイエ・ジールと死闘を繰り広げる。その戦い自体はソーラ・システムの照射などもあって明確な決着はつかなかったが、夏元雅人氏によるコミック『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』(角川コミックス・エース)では、コウの勝利で決着がついている。

 約3か月という短い期間で、ジオンが誇るエースパイロットと渡り合うまでに飛躍したコウの成長力は凄まじい。アナベル・ガトー自体、連邦軍士官学校の現代戦史の教科書に名前が記されているほどの傑物であり、その伝説的なエースパイロットに匹敵するほどに成長したコウは、オールドタイプの主人公の中でも最強候補といってもいいだろう。

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