昭和ドラマの金字塔! 伝説の刑事ドラマ『西部警察』爆死に銃殺…視聴者が驚愕した「あまりに壮絶な殉職シーン」の画像
DVD『西部警察 40th Anniversary』(ポニーキャニオン)(c)石原プロモーション

 派手なカーチェイスや爆破シーンといった巨大なスケールのアクションと、男たちの熱いドラマが融合した刑事ドラマ『西部警察』。1979年10月から1984年10月にかけて「PART-III」まで放送された本作は、渡哲也さん演じる主人公・大門圭介が率いる捜査課の刑事たち(通称:大門軍団)が迎える殉職シーンも、視聴者に強烈な衝撃と感動を与えた。

 しかし、その殉職シーンは現実にはなかなか起こりえない壮絶なものであり、今改めて見返してみると度肝を抜かれてしまう。今回は、そんな伝説的な名作の歴史に刻まれた、壮絶かつ印象的な刑事たちの最期を振り返りたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■大型バイクのミラーが腹部に…舘ひろしさん演じるタツ刑事

 舘ひろしさんが『西部警察』で最初に演じたのが、巽総太郎、通称「タツ」である。タツは、サングラスとリーゼント姿でハーレーダビッドソンを颯爽と乗り回すクールな二枚目刑事であった。

 タツの殉職は、『西部警察 PART-I』第30話「絶命・炎のハーレー」で描かれた。警察への復讐を目論む犯人が、園児たちを乗せた幼稚園の送迎バスに時限爆弾を仕掛けるという事件が発生。

 タツは愛車のハーレーで追跡し犯行を阻止するも、通行人を避けて転倒した際に自身のバイクのミラーが腹部に刺さり瀕死の重傷を負ってしまう。

 それでもタツは最後の力を振り絞ってバスの下から爆弾を取り外し、園児たちを救出。その後、爆弾を安全な場所へ運んで投げ捨てた直後に大爆発が起き、その爆風に巻き込まれて壮絶な最期を遂げたのである。

 バイクのミラーが腹部に突き刺さったうえ、爆死するというあまりにも無念の死……。『西部警察』にはこんなショッキングな展開もあるのかと、驚いた視聴者もいただろう。

 しかし、このタツ刑事の殉職は意外な展開へとつながる。当時のことを舘さんは次のように振り返っている。

 実は『西部警察』への出演契約は半年間だったため、この殉職は決まっていたことであった。ところが、その後『西部警察』の“大ボス”である石原裕次郎さんが病に倒れた際、“自分に何かできないか”と案じていた舘さんに石原プロから再オファーが届く。

 こうして舘さんは鳩村英次刑事という全く別の役で異例の復帰を果たし、最終シリーズまで活躍することとなった。タツは殉職したものの、鳩村刑事として再び舘さんの勇姿を見れたことに安堵したファンは多かっただろう。

■全身に銃弾を浴び殉職…寺尾聡さん演じるリキ刑事

 『西部警察』の初期メンバーとして人気を集めたのが、寺尾聡さんが演じた松田猛、通称「リキ」である。サングラスがトレードマークのクールで知的な刑事だったが、彼の最期も凄惨だった。

 リキの殉職は、『西部警察 PART-I』第123話「1982年・春 松田刑事・絶命!」で描かれた。本庁への栄転が決まっていたリキだが、大門団長(渡哲也さん)の命令を振り切り、単独捜査を敢行。テロ組織のアジトを突き止め、爆弾の設置場所を把握して現場へ急行する。

 そして激しい銃撃戦の中、団長らに危険を知らせようと車から飛び出した瞬間、犯人が放ったマシンガンに体中を撃たれてしまうのだ。

 口から血を吐きながら崩れ落ちるリキ。そんなリキを助けようと団長は車から飛び出し駆け寄るが、その瞬間、団長の背後で大爆発が起こる。CG技術が未発達だった当時、この爆破シーンは本当の爆薬が使用されており、いかに命がけの撮影であったかが分かるシーンだ。

 その後、団長の腕の中で、涙を浮かべながら静かに息絶えるリキ。栄転を目前にした彼の壮絶な死は、“大門軍団の刑事たちは常に死と隣り合わせである”という過酷な現実を視聴者に突きつけ、作品にリアリティと緊張感をもたらした。

  1. 1
  2. 2
  3. 3