2025年7月18日に上映開始したアニメ『鬼滅の刃』の映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』。11月16日には最新の興行収入として、全世界での興行収入が1063億円を突破したことが発表された。
また11月15日から28日にかけては第10弾となる来場御礼入場者特典「蛇腹ポストカードセット~決戦編~」が配布されており、映画公開から4か月近く経った今でもまだまだ勢いは止まりそうにない。
同作のクオリティの高さは多くのクリエイターの心にも響いているようで、10月21日には漫画『南国少年パプワくん』の作者で知られる漫画家の柴田亜美氏が自身のXに「やっと観れました。冒頭からスクリーンの迫力に感動し心震え、あらゆる場面で涙が溢れました。映画館で観れて本当に良かった。まだ第一章。まだまだこの闘いは続くのですね」「どのシーンも素晴らしかったです。炭治郎を補佐する義勇さんも良く、また獪岳の原作とはまた違うアニメならではの根性悪い表情も好きです」と劇場版の内容に熱い感想を寄せ、竈門炭治郎と冨岡義勇のイラストを投稿した。
柴田氏は感動が冷めやらなかったようで、翌日の22日にも自身のXに「昨日観た劇場版鬼滅の刃のことを考えながら、朝の楽描きは狛治」と、猗窩座の人間の時の姿である狛治のイラストを投稿。この投稿は13万を超えるインプレッションを集め大きな話題となった。
■著名漫画家による書き下ろし『鬼滅』イラストたち
『鬼滅の刃』には漫画界でも感銘を受けた作家が多く、著名漫画家による書き下ろしファンアートや企画イラストがファンを喜ばせてきた。
たとえば、『ポプテピピック』の作者で知られる大川ぶくぶ氏。大川氏は、これまでにも自身のXで様々な漫画やアニメのファンアートを投稿してきたが、8月20日には甘露寺蜜璃の、10月29日には胡蝶しのぶのイラストを投稿。どちらもキャラクターの表情や特徴を捉えながらも、大川氏の作風に落とし込まれた魅力的なイラストだった。
変わり種としては、『鬼滅の刃』を面白おかしく販売促進に使った例もある。
『銀魂』の作者で知られる漫画家の空知英秋氏は2021年1月8日に公開された劇場版『銀魂 THE FINAL』の入場者特典として『鬼滅の刃』の炭治郎と柱たちのイラストカード全10種を描き下ろした。空知氏は「このオワコンアニメにどんな手を使っても客を呼ぶ!」というコメントも出しており、大ヒットした『鬼滅の刃』の人気に乗っかろうとした様子。最後まで『銀魂』らしい遊び心にあふれており、結果はどちらの作品にとっても話題を集めるキャンペーンとなった。特に岩柱の悲鳴嶼行冥は、声優繋がりということで悲鳴嶼に扮した坂田銀時のイラストとなっており、ファンにとってはたまらない一品となったようだ。
この他にも、『ワンパンマン』や『アイシールド21』で知られる村田雄介氏は『アッツ―とコウセイのヘタッピ漫画道場』というYouTubeチャンネルの「【村田雄介】と【絵師14人】で『鬼滅の刃』ファンアートを描く!!」という企画の中で、炭治郎のイラストを担当。『ジャンプ』漫画家の中でも画力の高さが際立つ村田氏の描く炭治郎は躍動感にあふれ、まさに鬼と戦っている最中かのような迫力のあるイラストを公開した。
逆に、『鬼滅の刃』の作者である吾峠呼世晴氏が他の作品のキャラクターイラストを描いたこともある。2019年12月から開催されていた展覧会「TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-」に15周年記念色紙として、アルトリアと遠坂凛を描いたイラストを寄稿している。
さらに、2025年7月28日から8月3日まで新宿役と渋谷駅にて掲示された「DRAGON BALL全42巻セット DOUBLECOVERBOX」の予約受付の広告では『ジャンプ』作家陣42名が『ドラゴンボール』を描き下ろしたダブルカバーのボックスが発売されるという豪華な企画を実施。42巻の表紙が一挙に公開された。吾峠呼世晴氏は32巻のカバーを担当しており、元の表紙にはいないベジータを描き加えた家族のイラストとなっていた。吾峠氏はコメントで「ブルマが大好きだった」と寄せている。
様々な美麗イラストが並ぶ、他作者による『鬼滅』イラスト&吾峠氏の描く「TYPE-MOON」作品に『ドラゴンボール』。それぞれの個性が出ていて、見ているだけで楽しくなってくるものばかりだ。


