■ヌンチャク乱舞! “戦うロリータ”『ヌイグルマーZ』中川翔子
今年、双子を出産したことでも話題の中川翔子さん。そんな彼女が主演を務めた映画『ヌイグルマーZ』(2014年)は、ロリータ女子がピンクのテディベア・ブースケと合体変身し、「ヌイグルマー」として悪と戦う、まさに“可愛くて強いヒロイン”を体現した異色の特撮アクション作品だ。
中川さんが演じるのは、ロリータファッションをこよなく愛する鮎川夢子(通称:ダメ子)。それまで女の子らしさに馴染めず、学ランで登校していた夢子にとって、ロリータファッションは初めて自分を表現できた服だった。
劇中で彼女が着るロリータ服は、淡いピンクを基調に胸元を飾る幾重ものフリルが印象的なワンピースだ。徹底した「甘ロリ」仕様でありながら、動きやすいように仕立てられているのが凄い。まさに、“戦うためのロリータ服”といえるだろう。
特に見どころなのが、終盤の戦闘シーンだ。100体以上のゾンビ軍団を相手に、ロリータ衣装のままヌンチャクを華麗に振り回して戦うのである。
特筆すべきは、劇中で使われたこのヌンチャクが、中川さん本人の私物だという点だ。中学生の頃に自作したというピンクのフェイクファー製で、護身用に持ち歩いていたものがそのまま採用されたという。このエピソードも、いかにも彼女らしいと言えよう。
中川さんの個性と作品の世界観がひとつに溶け合い、見た目はふんわりと可愛いのに、誰よりも勇ましいヒロイン像が生まれた。彼女が体現したこの『ヌイグルマーZ』のロリータスタイルは、今見てもインパクト抜群。異色作の中でひときわ輝くビジュアルだ。
ロリータファッションは、単に“可愛い服”というだけではなく、キャラクターの心や生き方を映し出す大切な表現でもある。
今回紹介した3作品では、同じ「ロリータ衣装」でも、その魅せ方はまったく異なる。しかし、どのキャラクターも自分の信じる“可愛い”を貫き、それを力に変えている点は共通していた。
女優たちがスクリーンで見せた個性豊かなロリータファッションは、時代を超え、観る者の心をときめかせてやまないのだ。


