■ほかのシリーズにもあった「主人公の嫁論争」
『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』は、サブタイトルにある通り、呪われし姫君こと「ミーティア」の呪いを解くことが冒険の目的となる。その真エンディングでは、主人公とミーティアが結婚する形で物語は完結する。
しかしプレイヤーからすると『ドラクエ8』のヒロインといえば、影の薄いミーティアより、一緒に冒険する「ゼシカ」の印象のほうが圧倒的に強い。そういった声が多かったのか、リメイクされた3DS版『ドラクエ8』では主人公とゼシカが結婚するというエンディングが追加された。
言ってしまえばミーティアは自分の想い人をゼシカに奪われるかたちになるのだが、彼女は自身のウェディングドレスをゼシカに貸し出し、彼女を結婚式場まで連れ出すという寛大なところを見せてくれる。その健気な姿に胸が痛んだプレイヤーも多いだろう。
とはいえ、純白のウェディングドレス姿のゼシカが、主人公に告白するシーンは破壊力満点。フルボイスで「私はあなたのことが好き」「気がついたらあなたのことばかり考えていたわ……」と率直な言葉を伝えてくれるシーンは何度見ても感動させられる。
ミーティアとゼシカのどちらを結婚相手に選ぶかは、「ビアンカ&フローラ論争」にも匹敵する究極の選択といえるだろう。
■主人公の幼なじみはまさかのヤンデレヒロイン?
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(スクウェア・エニックス)には、主人公の幼なじみエマが登場。彼女は主人公が育ったイシの村の村長の孫娘であり、主人公に対して幼い頃から想いを寄せている人物である。
そしてストーリークリア後、プレイヤーの選択によっては彼女と主人公が結婚することになるのだ。
創作物における主人公の幼なじみといえば、純朴で心優しい少女というのが定番ではあるが、エマについては少々異色の幼なじみと言わざるを得ない。なぜならゲーム中で確認できる会話の端々から、彼女のヤンデレ気質が見え隠れするためだ。
まだ恋愛関係にまで発展していない段階から、エマは「さすがは私の◯◯……じゃなかった! さすがは私の幼なじみの◯◯」と発言してみたり、村長であるエマの祖父から「主人公がいないとエマはちっとも笑わない」という怖い情報を聞いたりと、彼女の独占欲や依存度の強さが端々で感じられる。
もちろん深読みしすぎな面もあるかもしれないが、筆者自身プレイした当時は、エマの可愛さよりも、若干「怖い」という印象が残った。実はこの重たい愛こそが、エマの唯一無二の魅力といえるのかもしれないが……。
ちなみにリメイク版の『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』では、エマだけでなく、男性を含むパーティメンバー全員が主人公の結婚相手候補になっていた。
今回はドラクエシリーズにおける印象的な恋愛にまつわる要素を振り返ってみた。リメイク版で新たに追加された恋愛関係のエピソードも多いので、2026年2月5日に発売予定の『ドラゴンクエストVII Reimagined』にも期待したいところだ。


