アニメ『野原ひろし 昼メシの流儀』ひろし声優・森川智之が語る「バズリセリフ」の裏側　「本編では言わないようなセリフが好きです」

■理髪店で出会った「コブラ」に受けた大きな影響

ーーそれまでスポットが当たることがなかったひろしの昼メシ姿、とても魅力的でますますファンが増えそうですよね。ちなみに、森川さんご自身がこれまで影響を受けた作品やキャラクターはありますか？

森川　昭和４２年生まれなので、エンタメ作品が本、地上波テレビとラジオ、映画くらいで、パソコンもスマホもインターネットもない時代でした。そうなると小学生のころは、友達の家に集まってみんなでゴロゴロしながら『ドラえもん』を読む……みたいな光景を思い出します。それから少し大きくなると、寺沢武一先生の『コブラ』に影響を受けるようになるんです。

ーーコブラ！　どうやって出会ったんですか？

森川　髪を切りに理髪店に行くと、必ず漫画が置いてありまして。その中に『コブラ』があって。それまでは『ドラえもん』を読んでいた少年が、なんだか大人になってきたからちょっとこの辺にも手を伸ばしてみようかなと読み始めたら、もう止まらなくなっちゃって。中学生のころは「俺はコブラだ！」とまで思っていましたから（笑）。

ーー憧れのヒーローだったんですね。

森川　左手のサイコガン、かっこよかったな〜。たくましくて女性に優しくてね。ウィットに富んで、饒舌に喋る姿もかっこいいなと思いました。

ーー男性として「こうなりたい」が詰まっていたんですね。

森川　そうですね。これがきっかけで力強い男性に憧れて、ジムで体を鍛えるようになりましたからね。

ーー当時の中学生がジムに行くほど体を鍛えるなんて、相当意識が高いですよね。珍しかったのでは。

森川　近所にパーソナルジムがあったんです。元プロレスラーの方が経営する名門「スカイジム」というところで。それで頭にコブラを思い浮かべながら、コブラの体になろうと鍛えていました。

ーーコブラの体になりましたか？

森川　なりました。高校生のとき、コブラの体になってボディビルの神奈川県大会にまで出ましたから。

ーーすごい……！　コブラきっかけで大会にまで出るとは。

森川　予選は通過しませんでしたが、会場の関内ホールはどよめいていまいたよ。

ーー「あの高校生は何者だ！？」みたいな？

森川　いや、「かわいいー！」とか言われていました（笑）。周りはおじさんばかりの中で、顔立ちがかわいいのにムキムキだから。いい気になっていましたね。

ーーかわいいだけではなく、大会に出るほどのポテンシャルを持っていたのがすごいです。

森川　周りにプロレスラーの方がいっぱいいて、スカウトもされましたからね。「今から鍛えたらいいレスラーになるぞ」と。だから、中学校を卒業したらメキシコに行くという道もあったくらい、相当鍛えていたんです。

ーーハマりやすい性格なんですね。

森川　はい、ハマりやすいし、影響されやすい（笑）。理想の体になれたのは『コブラ』のおかげです（笑）。

1. 
2. 1
3. 2
4. 3
5.